アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
story.11 信じるよ
-
琉衣と別れたあと
俺は学校へと走った
少しでも早く
琉衣の事を忘れたかった…
教室に入ると
俺は一直線に自分の席へと向かった
「歩夢、おはよ」
「…あぁ、おはよ」
「……うん」
珍しく、紘が暗かった
何かあったのだろうか
それとも、また俺が
関係してるのか?
「歩夢…」
そんな事を考えていると
ふいに紘に名前を呼ばれた
俺が顔を上げると
目の前に紘の顔があった
「…っ!ひ、紘…?」
「やっぱり…まだ琉衣くんの事…好きなの?」
「………え?」
紘の目は
不安そうに、悲しそうに揺れている
その瞳に
俺は吸い込まれそうだった
「ねぇ…歩夢…いつになったら俺を見てくれるの?」
「…ご、ごめん…」
「やっぱり…俺じゃダメかな?」
「…そ、そんな事…」
俺は…どうすればいいんだろ…
何て答えれば…
「みんな席ついて~!HR始めるよ~」
そんな時
担任ののん気な声が聞こえてきた
それと同時に
紘は俺から目をそらす
少し、寂しくなった…
紘の気持ちはすごく嬉しい…
でも…まだ完全に諦めきれてない…
琉衣の事を…
情けない奴だ、俺は…
さよならしたばかりなのに…
ふと琉衣の方を見ると
琉衣は机に顔を伏せていた
怒らせちゃったかな…
そう思いながら
愛斗を見ると
愛斗は俺を睨みつけていた
やっぱり…
愛斗にも嫌われちゃったかな…
俺は視線を窓の外へとうつし
空を眺めた
「愛して…」
自然と
俺の口からそんな言葉がこぼれていた
その言葉は
涙と共に、落ちていった…
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
51 / 270