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冬弥と千秋
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【冬弥】
「ずっと待ってたんだからなっ」
抱かれ、喘がされながらも抗議する可愛い恋人
衰えるわけないだろ…本当に、こいつはまぢで罪だよ…
熱っぽい大きな瞳が、我慢という壁を軽く乗り越える
それくらい千秋の目力は凄かった
それに加えてこの華奢な身体
少し甘えたような色っぽい声
なにもかもが、俺の全てを刺激していた
千秋を意識し始めたきっかけは…そうだ、あの時…
体育祭が雨で中止になった日
楽しみにしていた訳でもないのに、なんだか気持ちが折れていた俺
雨空を見ながら、俺は授業に集中出来ずに早退した
「ごめん、俺帰るわ」
「へ?なに、体調でも悪いの?」
「や、大丈夫だけど、担任に伝えといてくれ」
帰って何をする訳でもないけれど、何となく居たくなかった
「しゃーねぇ、制服のままじゃどこも行けないからなぁ…図書館でも行くか」
一人で呟いていた…はずだった
「そうだな、行こ!」
振り向くと、そこには何故か傘をさした千秋が、さも当然と言わんばかりに立っていた
そして、返事をするまもなく歩き出す…
「ま、待てよ千秋、お前………」
雨音でかき消された声は、届いているのかすらわからない
仕方なく追いかけて、図書館へと入っていった
入ったからと言って本を読むわけでもなくて…
「ほい、これ、お前に貸してやる」
「な、お前これ…もう買ったの?」
「うん、やっぱこれでしょ」
渡されたゲームは、当時流行っていたRPG
めちゃくちゃ欲しかったけど、小遣いが足りなくてまだ遊べてないゲームだった
「え、これ俺がやってもいいの?」
「いいよ、俺もうやったからさ」
そう言って笑った千秋の顔
一瞬で奪われた………
………嘘だろ…千秋は男…だぞ?
なのになんだろこの気持ち………
心がざわついた
それからの俺は、ことある事に千秋のそばにいた
男だからあまり露骨にベタベタはしないものの、何かあれば常に一緒に行動した
千秋は、俺とペアで動くことになんら嫌な素振りも見せないで居てくれた
その当時の俺は、それだけで満足だった
卒業後は、それぞれ普通の会社員になっていた
ゲームはずっと4人でスカイプを繋げて遊んでいたからさほど寂しさはなかった
忙しくて辛くても、千秋の声を聞くだけで心が落ち着く
その想いは、日を追う事に増していく
とうとう俺は行動に出ることにした
『荷物が片付かないから手伝ってよ』
『いいよ!早く終らせて行くわ!』
ラインで送るとすぐに返ってきた
思わず顔がほころんだ
よしっ!
密かにガッツポーズした
久しぶりに2人で会える………!
千秋は普段、アルコールよりもジンジャエールやコーラを好んで飲んでいたけれど、仕事が終わって風呂からあがれば、そこはやはりこれだよね?
案の定、久しぶりだったようで迷いなく飲んだ千秋
美味しそうに飲む姿につい嬉しくなって、あまり強くもないのに2杯目をすすめてしまったのが事の始まりだった
「お、おい、千秋…千秋!」
「う~ん…」
そのまま眠ってしまった
プルっとした唇が、俺の抑えていた感情を解放させてしまう
「千秋………ベッドへ行こうね?」
返事の返ってこない身体をかかえ、俺は自分のベッドへと運んでいた
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