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お泊まり会4
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【冬弥】
俺の中では大した出来事じゃなかったけれど、殆ど顔を出さなかったクラブ活動での話は、それなりに千秋にはショックだったようだ
「ごめんね?一回だけ、なんとかって先輩の送別会に強制参加させられてさ」
そうだ、あの時の俺は普段からサボっていたので、部長からこれだけは参加するようにと言われたんだわ…
場所は部長の家
当時、部長の家は父親が事業に成功したとかでかなり裕福な家庭だった
当然ながら、その辺りでは一番の豪邸だったのを覚えている
ただ、その豪邸がまさか部長の家だったなんて知らなかった俺たち
『お邪魔します!』
入れば、見たことがないくらい大きな玄関?あれはフロアというのか…とにかく何もかもが別世界
普通に考えればわかることだけど、いわゆる部長はそこの一人娘のいわゆるお嬢様
容姿もそこそこ良くて言葉遣いも綺麗だったのでモテていたんだけど、俺はもうその時には千秋しか目に入らなくなっていたので興味がなかった
「おい、お前いいよなぁ~あの部長の家に行くんだって?羨ましいわぁw俺も入っときゃ良かったわ」
なんだかやたらと羨ましがられた
正直、俺はその手の話には疎くて…
いくら羨ましがられても、ただめんどくさいって感情しか湧かなかった
だから、部長が俺のことを好きだったなんて知らなかったんだ…
「いらっしゃい、みんな上がってね!」
俺の所属したクラブは、何故か男ばかりで…だからこそ選んだんだけど、その中でも何故か部長だけは紅一点ってやつだった
元々は女子も居たらしいんだけど、卒業して出て行ったのもあって、残ったのが部長だったわけ
ともあれ、そんなことは知らなかった俺
とにかく出ても出なくても良さそうな文化部に入部したんだ
「はい、みんなエプロンつけてね!」
「エプロン?」
「だって鍋パーティーだもん、みんなで作る方が楽しいでしょう?」
確かそんな感じで始まった送別会&鍋パーティーだったっけ………
「じゃあ冬弥くんはこっちね!」
なんで俺だけ…めんどくさい肉団子なるものを一緒にこねさせられる
しかも何故か部長との作業
周りからは羨ましがられたけれど、どうでも良かった俺は、とにかく早く終わらせたくて力一杯こねまくった
そのおかげでさっさと出来たんだけど…
「じゃあ今度はこっちにきて」
何やら食料庫なる場所へと連れてこられた
こんな場所にもあるってすげぇな…
普通に感心していた俺
なんの疑いもなく連れて行かれ入った食料庫は、薄暗くて湿っぽい感じがした
「湿度も保たれてるから、葉物野菜にはちょうどいいのよ~」
上機嫌で野菜を渡される
よし、これを持って行けばやっと終わる!
そう思った瞬間だった
俺の服の端を引っ張って呼び止める
あ……これ…
「私…冬弥くんのこと好きなの…」
何となくさっきからそんな気はしていた
俺は…………
「…冬弥はなんて答えたの…?」
泣きそうな顔で俺を見る千秋がいた
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