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いきなりの決断
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【夏生】
携帯の番号を変えて数日
特に何も無いまま、穏やかな日常を過ごしていた
警戒心が薄れた訳じゃないけど、多分、こうして一緒にいるからかもしれない…
「夏生、ここでいいの?」
「うん、どこでもいいよ!」
陽人の家のキッチンなのに、俺が好きに使わせてもらっている
陽人もそれでいいらしく、調味料の位置は俺の方が詳しいくらいだ
そして…
「ねぇ、今日溜め録り行くのに服選んでw」
アハハ、なんか俺、奥さんみたいだな(笑)
あまり被らないように選んであげると、嬉しそうに足取りも軽やかな陽人
ずっとこのままでもいいかな…なんて思ってきた俺
問題は、防音になっている俺の家だ
特殊な機材やらギターがあるので、おいそれとは引っ越しが出来ないのだ
「ね、今夜は鍋にしようか!」
秋もそろそろ冬へと移行する今、朝晩の寒さは結構堪える
「んーじゃあ帰りに材料買いに行こう!」
陽人とこうして一緒に買い物したり過ごしたり…
楽しくて幸せで、俺はこの間の事を忘れかけていた
『じゃあ、今日はここまでにします』
かなり録り溜めしたから疲れたけれど、帰ってからの事を考えれば疲れも吹っ飛ぶ勢いだ
「陽人、早く帰ろ!」
「待ってて、ちょっと話してくるから」
携帯を持って外へ出る
陽人はどこへかけているのだろう?
不思議に思ったけれど、言われた通り待っていた俺
「んじゃお先w」
「冬弥、早くっ」
2人の後ろ姿を見送りながら待っていた
「お待たせ!」
さっきより晴れやかな顔の陽人
なんかいい事あったの?
それを問う前に陽人が俺の手を持って話してくれる
「俺さ、これから行くとこ出来てさ、夏生も一緒に行ってくれる?」
「え?あ、う、うん」
鍋の材料は…と言いかけて、嬉しそうな陽人について行くことになった
と、まさかここに来るとは思っていなかったんだけど……
「はい、到着w」
タクシーから降りて第一声………
「ここ、俺ん家だけど…陽人?」
キョトンとした俺の手を引き、マンションへと入る
「あ、こんばんは!遅い時間にすみません、あ、夏生は知ってるだろ?」
まさかの俺の大家さんだ
この近くに住んでいるから、結構ここにも来ていたけれど………
「いやいや、まぁどうぞ」
「はい、あ、お邪魔します!」
先週空室になった部屋へと入っていく
一体、なんだ?
わざわざ見なくても、俺の家の造りとあまり………
「いいですねwここ、夏生の部屋よりひと部屋多いな?」
「あ、ホントだ…そう言えば、先週出ていったのファミリーだったな?」
満足そうに見渡して、陽人が大家さんに告げる
「んじゃ、ここ借ります!」
ええ!?
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