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近いけど…
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【夏生】
ピンポーン
バタバタと音がして、中から扉を開けてくれるのは……
「陽人!」
寝ぼけ眼の陽人をたたき起こし、俺は下の階の部屋の前にいた
なんでこんなことになってしまってるのかと言うと…
さかのぼること二週間前
「引っ越しするけど、お互いに自分の生活は守ろうな?」
嬉しくて浮かれていた俺に、まさかの陽人の言葉
「へ?」
てっきりお互いの家を自由に行き来出来るものと思っていた俺は、陽人の言葉にフリーズしていた
あれだけ盛り上がったのに……?
「えっと…それは?俺は陽人の家には入れないの?」
近くに越して来てくれるのに、なんで今さらこんなことを言うんだろう?
だってそうだろ?
普通はさ………
まぁ、言いたいことはあったけれど、それ以上に近くに来てくれるという事実は嬉しかった
「入れるよ、当然だろ?でも、ずっと一緒にいるのは、ね!」
その時、まぁ来ればその考え方も変わるだろう!なんて、気楽に考えていたんだけど…
「お邪魔します…」
「はい、どうぞ~」
テンションがなんとなくあがらないものの、陽人に会いたかった俺はすぐに抱きついた
そんな俺を、陽人はヨシヨシと撫でてくれる
まだパジャマ姿の陽人とリビングへ来ると、以前の家と変わらぬ風景
「前のまんまじゃん…!」
「だろ?やっぱりこうじゃないと落ち着かないんだわ」
あぁなるほど
陽人は自分空間がないと落ち着かないんだ
ここは陽人の城のようなものなんだ……
とはいっても、やっぱりなんか物足りない
モヤモヤとした感じが気持ち悪い
「でも…なんか寂しい…」
ポツリと呟いた
一緒に居るのに………
陽人の空間に居ながら、陽人との距離は近くないんだな
そんな風に思っていた
「あのさ、夏生?」
なんだよ………陽人の馬鹿
「最近…夏生が可愛くてさ」
ん?
「近くにいて手が届くと思うとさ………」
真っ赤になる陽人……どした?
「夏生を抱きたくてたまんない………んだよ、わかってよ///」
ええーーーー!!!
理由はわかったけど、それって……どうしたらいいの?!
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