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気づいた恋心~番外編~
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【冬弥】
「冬弥、何ボーッとしてんの?次は移動だぞ?」
そう言って、自然に俺の腕を掴む千秋
ドキッとして顔を見ると、いつもの優しい笑顔があった
返事をしなくても、俺が千秋の隣にいることは当たり前…なんて、余裕があった当時
なんの自信だったのか
「おーい、千秋早くしろよ!お前今日当番だろ?」
「あ、そうだった!ごめん冬弥、俺先に行くから」
いつもなら一緒に行くのに、この時、やけに千秋にベタベタする奴がいた
「待ってよ陽人!」
そう、陽人は仲間だった
だから何も焦る必要なんてなかったのに
「なんだよ陽人、千秋は俺と……」
不愉快だった
仲良し3人組だったはず
いつもの仲間としての余裕が無くなって来ていた頃
そんな事が重なったある日
俺はとうとう我慢が出来ず、陽人を呼び出した
千秋には内緒で、俺は陽人の家にいた
「お邪魔します」
「どうぞ~あ、親父仕事だから楽にしてよ!」
仲間として自宅へあげてくれる陽人
そして、まぁ座れよと座布団を差し出す
「あぁ、ありがとう」
「ん。で?今日はどした?」
「………」
勢いよく来たものの、なんて切り出していいのかわからなかった
陽人の笑顔を見ると余計に言えない………だけど言いたい!
もどかしくて、陽人が出してくれたコーラを一気に飲み干す
そんな俺を見ていた陽人
ふふっと笑って俺を見た
「千秋の…こと?」
「え」
「やっぱりか…」
「……」
「わかりやすいなお前(笑)」
そう言って陽人は肩をポンと叩く
そして笑顔になる………
「クズグズしてると誰かに盗られちゃうぞ?」
この時、やっと自分の本当の気持ちに向き合う事が出来た
とは言ってもやっぱり伝える勇気もなくて
結局、社会人になるまでずっと辛抱していた俺もかなりのヘタレだったんだ
まぁ、あれから俺は盗られたくなくてずっと千秋のそばから離れなかった
だから陽人には…千秋のストーカーって呼ばれていたけどね
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