アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
悲しい選択
-
【夏生】
陽人がずっと抱えていた想いを受け止め、最高に気持ちが高ぶっていた
と言うか、素直な表現にすると、つまり……
浮かれていた
だから、背後で追い詰められていたなんて思わなかった
いつもの朝の目覚め
だけど今朝は違った
殆ど明け方まで愛し合った俺たち
身体はありえないくらい疲労していたのに、何故か心は温かかった
だからこそ気づかない罠………
「夏生さん?」
陽人の為にと買いに来たコンビニで、声を掛けてきたのは…………っ
髪型も化粧も違う
だけどはっきり思い出す………
「この間はすみません、やり過ぎました。だからもう一度、リベンジさせてもらえませんか?」
意味がわからない
一体何をリベンジするんだよ
スルーしようと目の前を通り過ぎようとした
「父が、もう一度集まってくれと言っています。断れば、、、、、」
断れば…次の言葉に愕然とした
「あなた方のイベント会社は、うちの父の傘下に入ります。」
にわかに信じられない言葉に、思考が停止した
いつからだったっけ……
動画を投稿していただけの日々
いつの間にか、動画に音楽をつけたり、ラジオ番組を任されたり…
元々の目的は自分たちの世界観を広げたかった
ただそれだけだったのに……
帰ってから袋を持ったまま立っていた俺
陽人に肩を叩かれるまで気づかなかった
「夏生……なんか変だよ?何かあったの?」
黙っていようかとも考えたが、どうせ伝わる事実
コンビニでの出来事を淡々と話した
「はあ!?なんで……なんでそんなことになってんの?ちょっと連絡してみる!」
慌てて陽人が携帯を取り出して連絡を取る
社長兼マネージャーが対応するも、現実は変わらなかった
すまない……ただそれだけの言葉が、俺たちの今までやって来たことを否定する
夢なら醒めて……っ
ぐちゃぐちゃになってしまった思考をなんとかしたくて、2人にも連絡する
早朝なのに出てくれたものの、どうやら伝わっていたようだ
「なんなの?俺たちどうなんの?」
ツアーを控え、準備に入ろうとしていた矢先の出来事
じゃあ、どうすればいいのだろう………
「私と結婚してくれたら、他のメンバーを自由にしてあげてもいいんだけど………」
闇が俺を包んでいった
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
64 / 172