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初志貫徹
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【冬弥】
本当に夏生ってやつは…
陽人の胸で泣いている夏生
そんな姿を見せられて、黙っているほど大人しい集団じゃねぇ!
「損害のことを考えて、こういう結論なんだよな?」
千秋が夏生に問いかける
陽人の胸から振り向いて、うんうんと首を縦に振った
こんなにも陽人が好きなのに、なんで引き裂かれないといけないのか!
「俺らの仕事ってなんだ?」
千秋の言葉にお互いの顔を見合わせる
「実況………」
ボソッと答えると、これまたニヤリと笑う千秋
そして……
「この状況、みんなに伝えようぜ?俺らの動画を見れなくなる理由をお知らせすんの」
そうか!俺らは実況者だ!
どうやって回避するかなんて、最初から決まってるじゃないか………動画だよ、それしかない!
とりあえず、夏生の部屋にいる業者を帰らせた
夏生だけが犠牲にならないといけないなんて絶対に許せない!
さっそく陽人の部屋にセッティングを始める
これは突発でやるしかない
圧力の前に屈してはならない!
「千秋、真ん中を夏生と陽人にして、俺らは端になろうぜ!」
「だな!よし、そうと決めたらさっさと始めるぞ!告知しろ」
それからの俺たちは淡々と進めた
色々やってはいるが、やはりここは原点に戻らなくては!
気持ちは変わらなかった
「よっしゃーやるぜ!絶対、みんな俺らに力を貸してくれるはずだ!」
千秋の掛け声で急遽始まった生放送
グングンと伸びるアクセス数とともに、果てしなく続くみんなからの応援コメント
「ほら、みんな応援してくれてるってさ…ありがたいね!俺らのファンはみんな素敵だな!」
これを見たファンが、直ぐに反応してくれた
俺たちは、その企画会社の名前は出さなかったが……ファンはさすがだった
すぐに特定していたんだ…
そして…
『もし、また再結成となっても、私たちはこれからもあなた達のファンです!』
目頭を熱くして、俺たちは決意する
「今日は、俺たちの為に視聴してくださってありがとうございます。今回の事は、俺たちも知らなかった事でした。ですが、このまま言いなりになる事は、仲間を犠牲にするという事です。だからもし、解散をさせられることになっても……………」
「俺たちは、絶対にまた戻ってきます!だから、それまで待っていてください!本日はありがとうございました!」
つまり、初志貫徹だった
本来の俺たちの進むべき道だから…
終わってから、俺たちのホームページは荒れた
もちろん、その対象となる企業に向けてもあるが、一番はやはり夏生へのコメントだった
「ナツオさんは私たちが守ります!」
力強い言葉と後押しが、俺たちに新たな勇気を与えてくれた!
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