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自分たちの事情
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【陽人】
慌てた様子で帰っていった冬弥の代わりに、俺はなんとか写真の選考をしていた
「はい、じゃあこれでいきますね!あ、冬弥さんにもよろしくお伝えください」
頑張ったおかげでサクサクと終わったものの、冬弥の様子が気になった
とは言え、俺も夏生のことがあるので急いで帰ることにした
やっぱ、早く会いたいし
ピンポーン
帰ったら夏生の姿がなくて、ラインには自宅へ帰ってる!ときていた
じゃあ行くか、普通に夏生の部屋の前に来た
チャイムを鳴らしても鍵があるので入れる
いつものように入った……
「あら、陽人くんお帰りなさい!」
なんと、笑顔で迎えてくれたのは……
「あ、陽人おかえり!母さん来てたんだ」
まさかの訪問者に一瞬怯む俺
でもここはもちろんちゃんと礼儀正しい俺(笑)
「こんにちは!お母さんいらしてたんですか!お久しぶりですね」
「ありがとう、陽人くんも元気そうで良かったわ、お仕事だったの?」
夏生の両親とは公認の仲とは言え、やはりここは若干緊張するもので…
「あ、はい、あの…」
言いかけた
「従兄弟の結婚式でね、こっちに来たから寄ったのよ~あなた達が元気でやってるかと思ってねうふふ」
結婚式……そうだ、結婚というキーワード
避けては通れない俺たち
俺が居なければ、夏生は今頃………
「陽人!」
「…あ、な、何…夏生?」
「今、変なこと考えていただろ!」
ハッとした
だって……
後悔していた自分
夏生はモテていた
なのに…それを俺という存在が奪ってしまったんだ
「あらまぁ…陽人くん、違うのよ?責めてるんじゃない、私はちゃんと認めてるのよ、だから、これからも夏生のことお願いね?」
優しい言葉が包む…ごめんなさい…その言葉を飲み込んだ
「はい…はい、夏生を大切にします!」
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