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疑惑~番外編~
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【千秋】
目を覚めると、隣には俺の手を握り締めている冬弥がいた
「冬弥、冬弥」
「…ん…千秋…?」
あまりにもしっかりと握られた手
トイレに行きたいと訴えると、自分の手を見て苦笑いの冬弥
ごめんごめんと笑って、行ってらっしゃいと手を振る
トイレから帰ると、気持ちよさそうな寝息が聞こえる
今度は俺の枕を抱き抱えて…(笑)
「もう…これは俺のだぞ?」
でもいっか、無くても問題ないし
そう言えば同じような光景を思い出していた
何だったか…修学旅行先の旅館、気づいたら隣には陽人
随分と近い…陽人の布団て…
俺の斜め上だったはず
なんでここにいる?
修学旅行では、冬弥とは離れたものの、陽人とは同室になった
俺も陽人も、女子の部屋へは行かなくて…
そうだ、俺はそのまま寝てしまったんだ!
じゃあなんで隣に陽人がいるんだろ…
明らか離れている布団
ここへ来るには自らの意思で来ないと…
「陽人……」
言いたい言葉を飲み込み、もう一度横になった
陽人の顔を近くで見るのがなんだか恥ずかしくて、反対側を向いて寝た
「…千秋…」
えっ?
振り向くと、まだ寝ている陽人
寝言か…でも、なんで俺………
再び背を向けて、悶々と考えていた
陽人が俺に何かした…………?
なんとなくそう思ったけれど、俺はこの時、気づかない振りをしようと決めた
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