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運命のくじ引き3
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【陽人】
狙った訳じゃない
たまたまこうなっただけ…
でもさ、なにもこんな時に千秋と同じテントなんて
運命のイタズラとしか言いようがない…
『はい、では夜の撮影は終わったんで、各自準備とか済ませたら夕飯にします』
やっぱりバーベキューなの?
と思ったら、なんだか様子がおかしい
スタッフの一人が体調不良を訴えている
急遽一部のスタッフが病院へ連れて行くと言い出した
「じゃあ、俺たちも帰るんですか?」
当然そうなると思っていた
「いえ、このまま今日は寝てください。スタッフまだ居ますので」
なんだか後味の悪い中、バーベキューが始まる
撮影はないにしても…
「これじゃ騒げないし、さっさと寝るか」
テントとテントはそんなに離れていないものの、スタッフさんのテントも近いので何かあっても大丈夫だと言われる
ただ、声は聞こえない…さすがカップル専用ブース
俺たちには、余計な配慮だった
テントの中は、痛くないようにエアマットが敷かれ、ちゃんと毛布まで準備されている
案外ここ眠れそうだな…まぁ見た目は
そんなことを考えていたら……千秋に呼ばれる
「陽人、さっさとしろよ、ここ開けっ放しは寒いんだから」
「はいはい、んじゃお疲れ様~」
不服そうな冬弥を横目に、俺は千秋の待つテントへと移動する
夏生は……特に動揺することもなくバイバイと笑顔で手を振る
ま、寝るだけだし
簡単に考えていた自分の甘さ
理性と言う自制が効けば問題は無い…はず
「お待たせ~え、千秋もう着替えたの?」
「だって結構疲れたもん、さっさと寝たいじゃん」
「千秋ってどこでも眠れるんだな(笑)」
他愛もない会話
テントの真上は、本当に星が見えるようになっている
すげぇ!
ゴロンと横になってみると、ちょうどいい位置に星空が広がっていた
「へぇ…めっちゃ星があるんだな…あれ千秋?」
見ればもう寝息を立てている千秋
月夜に照らされて、やっぱりあの時のように、千秋の唇が赤く艶っぽく………
「…陽人…?」
ハッとした
「え、あ、ごめ…」
「なんで………」
俺は、いつの間にか千秋の唇に自分の唇を重ねていた
そう、あの時のように………
「…ごめん…」
謝るしかなかった
魔が差した…だけ
そう言って誤魔化そうとしていた…その時だ
千秋が確信をつく
「お前…前にもこんな事…したことない?」
あ…………なんだ、やっぱり気づいてたのか
諦めて認めるしかなかった
もう隠しても意味無い状況だ
「……した、ごめん…あの、好き…とかって、そんなんじゃなかったんだ、その…お前の唇に見とれてて…ホントごめん千秋…あの、んっ」
気づけば、千秋が俺にキスをしている
…嘘…………………千秋?
「お前…俺の唇を味わいたかったの?」
妖艶な千秋の視線…
ゴクリと唾が喉を通る
禁欲中の俺には………
何かが鍵を壊し始める音がした
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