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お互いの変化3
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【陽人】
千秋と話している間に、夏生の姿が見えなくなってしまった
単純にトイレにでも行ったんだろうなと思っていたのに…
キィ…「夏生?」
トイレの扉を開けてみても、人がいる気配がない
てっきりトイレだと思っていた俺は、段々不安になってくる
「夏生!どこに行った?」
あちこちの扉を開けるも、夏生はいない
まだ楽屋には荷物がそのままなので帰ってはいないはずなのに…
もしかして……
ビルの屋上は、夜景が綺麗に見える
前に夏生はそこへ行ってたんだ!
急いで向かう屋上
案の定、人影が見える
「夏生!」
「陽人?」
見つけた!一体どうしてこんな場所に…
「突然居なくなるからびっくりしただろ!」
「ごめん陽人…ちょっと気持ちを落ちつかせたくて…」
夜景の中で、ぼんやりと浮かぶ夏生の顔
どことなく寂しそうに見えた
もしかして…俺と千秋のことがバレたのか?
一瞬過ぎった不安
だけど、次の言葉で立場が逆転する
「冬弥ってやっぱり………」
「え?」
「あ、や…何でもない」
その言葉の意味…それってもしかして…夏生?
心臓が痛くなる
まさか…夏生…………嘘だろ?
不安が増す中、夏生に問いかける
「冬弥…のことが気になるの?」
包むはずの言葉すら出てこない
余裕があったはずなのに
歯車がどんどんズレていく
俺が千秋にうつつを抜かしている間、夏生は俺じゃなく、冬弥を見ていたんだ…
誰か…時間が戻るなら、今すぐ戻して…
泣きそうな顔で見ている俺を、夏生もまた悲しそうな顔で見ていた
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