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お互いの変化4
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【千秋】
さっきまで穏やかだった楽屋には、陽人が出ていった為に冬弥と2人きりになってしまった
情けないことに、何を話していいのかわからないほど緊張していた
「千秋」
突然抱きしめられたかと思うと、息もできないほどの熱いキスをされる
息苦しくて、思わず冬弥を押し返した
「ごめん…千秋」
謝られても、正直なんて答えていいのかわからない
でも、今なら言えそうな気がして
俺は思いきって聞いてしまう
「なんでそんな乱暴に俺のこと扱うの?」
俺がアイツに無理やりイかされてから、冬弥が段々と変化していった
多分、悔しさと苛立ちもあったのだろう
興奮はするけれど、前のような優しいキスもSEXもなかった
ただ、欲を受け止めるだけのSEX…
「俺のこと…嫌いになったの?」
その言葉は禁句だったのか
冬弥が黙ってしまう
本当に…俺は冬弥になんて思われているのかな
自分もまた、冬弥のことを言えた義理じゃないことくらいわかっていた
それでもどうしても聞きたかった
俺のこと…もしかして
じっと見つめていたけれど、俺から目をそらした冬弥をいつまでも見ていられるほどメンタルは強くなかった
耐えきれなくて、とうとう俺は荷物を持って先に帰るとだけ告げて出ていった
後ろを振り返るが、冬弥が出てくる様子はない
少しだけ…少しだけ期待していた
きっと冬弥は追いかけて来てくれる…
現実は厳しかった
暗い夜道
俺は一人帰ることになってしまった
「冬弥…」
きっと罰が当たったんだ
俺が裏切ったから…
隙間を埋めたくて逃げた先
そう言えば陽人、夏生には会えたのかな?
裏切った相手に心配されても迷惑なだけだよな…
夜の繁華街、隠してくれるのは姿だけ
俺の心はポッカリと空いたままだった
どうやって帰ってきたのか
いつの間にかマンションの前まで帰ってきていた
携帯を見れば、着信ランプが点滅している
案の定、冬弥の名前がズラっと並ぶ
その中で…
「陽人?」
俺は無意識に、冬弥ではなく陽人の名前をタップしていた
………「…はい、」
当然の事ながら陽人が出る
「もしもし?どうしたの?夏生…見つかったの?」
本当はそんな事が聞きたかった訳じゃないが、やはり優先順位というものがある
陽人の恋人は夏生なんだから
俺は夏生のことを利用して、陽人の声を聞きたかったのかもしれない
「…見つかったの、でもさ…」
「…え?……嘘…冬弥のことを夏生が?なんで?」
陽人に聞いたところでわかるはずもないのに
でも、聞くより他に何が出来る?
陽人…
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