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踏み出す一歩2
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【夏生】
本当に愛しているのは…
冬弥の言葉が何度も頭の中で再生される
言葉って便利だ
言ってることとやってる事が違っても、言葉で表せれば、それが事実になる
「俺、千秋と向き合ってみる。逃げても解決なんてしない…夏生もだろ?」
言われるまでもないことだった
ここまでしておいて今さらだけど
やっぱり本当に愛しているのは誰か
「ごめん…俺、冬弥に陽人を重ねてた…寂しかったんだ、抱かれないってだけでこんなにも不安になるなんて思わなかった…」
そばに居るのに触れられない
力まかせに抱きついても良かっただろ
今思えば大したことない行動
こうやって、違う相手とSEXする方が最低だった
「俺、正直に言う、冬弥、言ってもいい?」
言ったところでどうなるのだろうか
それが本当に必要なことなのか
冬弥に聞いてはみたものの、自分では判断がつかない
もしそれで嫌われたら……
一抹の不安が過ぎる
そんな俺の様子を読み取ったのか
「いや…それは言わないでおこう。火種になるような事は言わなくてもよくない?」
逃げ道……いや、これも優しさなのかもしれない
正当化しようとする
俺の中で、弱い自分が見え隠れする
あぁ…俺はやっぱりズルい?
悶々と考えていた俺の様子を見ていた冬弥
冬弥もまた、考えがあるように思えた
それが何なのか聞きたかったけれど…
今は正直、自分の事だけで精一杯だった
「う…ん、わかった。じゃあそうする。冬弥、色々ありがとう」
本当にこの選択肢で合っているの?
いくら考えても、答えはまとまらなかった
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