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たった一言
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【夏生】
「陽人、ごめんなさい…」
冬弥とのことは言わなかった
冬弥に罪はない
悪いのは、自分の弱さだから…
謝る俺を、陽人はしっかりと受け止めてくれる
俺の大好きな匂いだった
安心した
「夏生、ごめんな、俺が不安にさせたんだ」
酷いことをしてしまったのに、陽人はどこまでも優しくて、凍りついていた心を溶かしてくれる
「ううん、俺の方こそごめんね、嫌いにならないで陽人…」
熱く求めあっていた
さっきまでとは違う温かい穏やかな空気
当然だけど、ここが俺の一番安心する居場所だ
酷いことをしたのに、陽人は俺を愛してくれた
抱かれている間も本当に宝物のように…
「夏生、これからも俺のそばに居てくれるんだろ?」
「…え」
てっきり嫌われると思っていたのに
こんな俺を愛してると言ってくれる
裏切ったことを悔やむけれど、もうどうしようもない
だったら今さら言わなくてもいいこと
『陽人は千秋を抱いてるに決まっている』
頭から離れない言葉が、何度も何度も繰り返されるいっそのこと、聞いてみようか…
陽人は果たしてなんて言うのだろうか
陽人は俺と冬弥のことを聞いてこない
聞きたくないのかな?
つか、気にならないの?
全く何も言われないのも不安になる
だけど…………
希望する答えが返ってこなかったらと思うと、どうしても聞くことが出来なかった
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