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【陽人】
夏生の寂しさが伝わった
今までの事を後悔しているかのように…
きっと夏生は冬弥に抱かれたのだろう
首の後ろにキスマークがあったのを見た時、あぁやっぱりそうだったのかと納得した
だからと言って、夏生を責めるつもりはなかった
多分、今回のことも冬弥の差し金だろう
千秋の為………
昔から、冬弥は千秋を愛していた
傍から見てもわかるほど、常に一緒にいた
そんな千秋に興味を持ってしまった俺もまた、なんとなく千秋を意識していたのかもしれない
冬弥ほど執着はなかった
冬弥に対して遠慮があったのか…
それ以上は深入りするなと、もう一人の自分が抑えてくれていたんだと思う
2人が社会人になってからも、俺たちの関係は変わらなかった
程なくして、お互いに状況が変わったのは…まぁそれはそれで良かったのかな
冬弥がいつ行動を起こすか
時間の問題だった
なのになかなか進まない冬弥
何やってんの?
千秋もまた、冬弥を意識していたのだろう
ことある事に冬弥を誘って色々出掛けていたんだから…
千秋が本当に好きな人は誰だろうな…
もしかしたら………
脳裏に過ぎったのは、多分間違いだ、やめろ、さっさと現実に戻れよ俺!
なんの葛藤だったのか、 やっと現実がわかった頃には卒業して、それぞれ社会人になっていた
だから、目の前で無防備な千秋に目が眩んだ…
キャンプ場のこと、自分の家での行為……
夏生には知られたくない
でも、きっと夏生もわかっているはずだ
…………………お互いに追求しない
「陽人?」
「え、な、なに?」
「なんか、ボーッとしてる?」
「あ、ちょっと頑張り過ぎちゃったからかな」
笑って誤魔化した
夏生もそっかと言ってひいてくれた
はずだった
「千秋のこと考えてる?」
「…………へ?」
俺はどうして上手く隠せないんだろう
真っ直ぐに見つめる夏生の目から、そらすことが出来なくなっていた
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