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知らなくてもいいこと3
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【冬弥】
ピロン
まさか夏生からラインが来るとは思っていなかった
ランチでもしようと言われ、この間のことを謝りたくてOKした
『終わったら連絡する』
『うん、待ってる』
怒っていなさそうだ
実況中も、普通に絡んでくれた
みんな、本当に普段通りのやり取りだった
めんどくさいと思った選考も、少しだけ気持ちが楽になる
そのせいか、デザインもサクサクと決まる
「じゃあこれでいきましょう!お疲れ様でした!」
少しだけ早く終わったので暇を持て余す
見れば、まだ11時を少し回ったところだ
「でも終わったら連絡するって言ったしなぁ」
ラインなら最中でも問題ない
『夏生、思ったより早く終わったからそっち行くわ』
これでよし………
ピロン…………はやっ!
『俺も部分染めとカットだけだからもう終わるよ』
『わかった、じゃ近くで待ってる』
いつもの俺たちだ
ホッとしていた
警戒されたらどうしようって思っていたから
近くまで行くと、すでに夏生が待っていた
綺麗に染まった髪の毛が光に反射してキラキラしている
「あ、冬弥!」
「夏生…あ、早かったな」
「トリートメント省いたからね」
「え、なんで?」
「だって、早く会いたかったし…」
はにかんだ夏生
なんでそんな顔できんの?
俺の事……
「この間はごめん、夏生に俺は…」
「いいから、もうそのことは言わないで!怒ってないよ?今日は楽しもうよ」
ニコッと笑って俺の手を取った
「ご飯何する?俺、腹減っちゃった」
その笑顔につられた
「夏生…にする…」
「…え?」
「…や、なんでもない、行こう」
自然と出た言葉は、間違いなく夏生には聞こえていた
真っ赤になった夏生を見ないように、近くのイタ飯屋へと足を向かわせていた
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