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君想うほど…4
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『ダメだ…やっぱり俺は…夏生を愛してる』
『知ってるよ、俺も冬弥を愛してる』
ちょっと前に来たライン
元々わかっていたけれど、こうして文字にするとなんだか寂しかった
と同時に、安堵している自分がいる
取り乱しながら俺を探してへたり込む冬弥
どんだけなんだよ…なんてね、言わないけど冬弥俺のこと心配し過ぎだから
力なくぐったりと横たわる恋人の顔を見ながら、こうして2人で穏やかな時間を過ごせるなんて久しぶり………うん、なんか落ち着くね
改めて裏切りを告白しても、嫌いになるなんて出来ない
理屈っぽいことは抜きにして、俺はもう逃げないと誓った
また好きになってもらえばいいんだって思ったから
「やり直したいって今更だけど、俺とやり直して千秋…」
涙目で訴えるなんて卑怯だね、そんなんで許さないけど!って、言える立場でもないが、ちょっとだけ悔しかった
それでも、しゅんとなった冬弥が可愛くて思わず抱きしめた
「…そんなこといちいち言わなくても、冬弥はもう俺を選んでるじゃん……違う?」
それと共に、俺に触れる下半身…なんでもう反応してんの?
冬弥、お前もう俺を抱く気、満々なんじゃね?
気づいているけれど、あえて知らん顔した
わざとでも密着して、でもそれ以上踏み込ませないように身体を上手にかわしていく
「…千秋、意地悪してるだろ…そうだよ、俺はやっぱり千秋じゃないと…ていうか、千秋だって興奮してるくせに」
そう言って冬弥は俺の唇を塞ぐ
「…ふぅ…ん、ん…は、ふ…ぅ…んはっ、ハァハァ…な、急に何す…ん、ふ………ぅ」
後頭部を強く捕まれ固定され、強く押しつけられた口付けは、ゆっくりとその力を緩めていく
情けないけど、この優しい愛撫のようなキスをされたらどうにも抵抗出来なかった
「…千秋…ごめん、ごめんね、俺はもう逃げないから、だからもう一度チャンスが欲しい…」
やっと離してくれた唇に、もう一度自ら重ねる…
答えなんて最初から決まっていたのに、俺も冬弥も悪あがきをしていただけ…
「あ~あ、陽人には振られるし、俺もやっぱり冬弥しかいないんだろうなぁ」
さっき来たラインの画面
ポタっと落ちた涙に気づいた時には遅かった
「…陽人…」
「よしよし、千秋は陽人のこと好きだったんだね、辛かったね」
そうだったのかな…俺は陽人を愛していたんだ
誓った言葉は嘘だった訳じゃないけれど、お互いに本当に守るべきパートナーはここに居る
「好きだった…のかな…うん、そうかもしんない、でもこれで良かったよ、俺は冬弥から離れたら生きていけない…もん」
嘘じゃない
ずっとそばで支えてくれたのは間違いなく冬弥だった
溢れる涙はどうにもならなかったが、そっと抱きしめてくれた冬弥の体温は心地よかった
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