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思いの丈
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【夏生】
優しい温もりで目が覚める
「おはよう夏生」
陽人の笑顔がそこにある
そうか、俺は冬弥との約束よりも陽人との道を選んだ
あれだけ誓い合ったのに、俺はやっぱり陽人だった
「陽人…ぎゅってして」
朝から甘える俺を、甘えっ子だなぁと言って優しく抱きしめてくれる
昨夜はちょっと無理をした
そのせいで、久しぶりに腰が痛い
「マッサージしてあげるから、そこにうつ伏せになって夏生」
腰を温めて、その上からマッサージしてくれる
気持ちよくて、さっき起きたばかりなのに眠くなる
「気持ちいいや…また寝そう」
欠伸をしながら陽人を見ると、同じく欠伸をしていた
「はは、うつっちゃった…本当に眠いね、夏生、大丈夫?」
やっぱり優しくて、抱きしめたくなる
腰はかなり楽になっていた
そろそろいいよと言おうとした時だった
手をピタリと止めて、陽人が顔を近づけた
「夏生、これが終わったら出かけよう?」
「…あ、うん、どこへ?」
「冬弥と千秋んとこ」
「はっ?え、なんで………」
さすがに飛び起きた
陽人……もしかして、冬弥に何かするの?
不安になった
俺のせいで冬弥が………
顔色が変わった俺を見て、陽人が頭をぽんぽんと撫でてくれた
「大丈夫、なんにもしないよ?実はあの後、電話で話したんだ、俺も冬弥も同じ思いだったんだ、だから心配しないでいいよ」
陽人はそう言って支度を始める
一体どんなことを話したんだろう…
冬弥は俺を軽蔑したかな…
不安で押しつぶされそうになる
「よし、行こう」
「うん…」
さっきまでの癒しの時間が嘘のようにテンションが下がる
冬弥……俺を恨んでない?
千秋……冬弥のことごめん
お互い様なのに、懺悔の気持ちに支配されていた
情けないけど、怖いから会いたくなかった
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