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本音を聞かせて
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【夏生】
俺を愛おしそうに抱きしめると、待ってましたと言わんばかりに俺の口を塞いだ
「…ね、待って、陽人」
「やだ、待てない、夏生は俺のものだもん」
陽人、勝手なこと言ってるよ?
まだ千秋も好きなんだよね?
それなのに俺を抱きたいの?
抱かれないと不安なくせに、こうして求められるとひねくれた自分が出てくる
だって、俺だけを愛してほしいんだもん…
とは言え、俺も冬弥に求められたら……
理屈っぽいことを並べたところで、事実は変わらなかった
じゃあ素直に抱かれればいいんだけど…
でも、何かが違う気がして、陽人を制止した
「待った、陽人は今、誰を想って抱こうとしてる?もし千秋なら…俺は陽人を冬弥だと想って抱かれるけど、それでもいい?」
一瞬ピタッと止まる陽人
あぁそうなんだ、だったらやっぱり俺は…
いいよ、それで、俺は陽人には抱かれないんだ…
自分で言っときながら悲しくなってしまった
自然と涙が流れた…やだ…こんなのやだ…陽人…
「陽人…俺やっぱりこんなこと…」
「何言ってんの?夏生を抱きたいから抱くんだよ…なんでわかんないの?俺は夏生、お前を選んだの、勝手なこと言ったけど、俺はもう夏生を愛してるって気づいたんだ…だから、もう泣かないで、お願いだから、夏生、愛してるよ」
流れる涙を指で拭い、優しくキスをしてくれた陽人
嬉しくてしがみつくように抱きついた
もちろん嬉しいのに、涙は止まらなかった
「ほ、ホントは冬弥に抱かれるって思いたくなかったの、陽人が…いいのに、うわぁん」
子どもみたいに泣いてしまった俺を、困った顔であやしてくれる
いいもん、これでも俺は俺なんだもん
本当はずっとずっとここに戻りたかった…
あんまりにも泣くもんだから、陽人はおあずけのまま俺の涙に付き合ってくれた
泣き止んでからも、頭をずっと撫でてくれて…
俺はいつの間にか陽人を抱きしめたまま寝てしまっていた
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