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「あ、こうちゃん。」
愛子さんから離れて振り返ると、そこには晃輝がものすごい顔をして立っていた。
「その呼び方やめろって。」
「なによ、いいじゃない。こうちゃんはこうちゃんなんだから。」
な、なんかすっごい空気が重たい気が…
「じゃ、じゃあ俺、ちょっとやりたいことがあるから。愛子さん、ホントおいしかった。ごちそうさま。」
「はーい。」
俺はその場の空気に絶えられなくなって、逃げるように晃輝の横を通り過ぎて、リビングを出ると、階段を駆け上がった。
何だったんだろう…あれ。
なんか変だったよな…?
変な違和感を抱きながら、部屋の扉をガチャッと開けて、部屋に入って。
ドアを閉めようとしたとき。
「ゆず兄。」
ガシッとドアを掴まれて、閉めるのを阻止された。
振り返ると、そこにはまたあのときと同じような顔をした晃輝。
「こ、晃輝!」
「ちょっと来い。」
「ちょ、何すんだよ!」
腕を掴まれて、グイッと引っ張られて。
部屋の中に投げ込まれる。
そして、ご丁寧に部屋の鍵までかけられた。
「な、何…?」
「何?じゃねーよ。つーか、こっちが聞きてーんだけど。」
「は?」
「さっきのは何?」
「さっきの…?」
「おふくろと抱き合ってただろ。何?ゆず兄って熟女好き?そんな趣味だったん?」
「な、何言ってんだよ!そんなわけないだろ!愛子さんは母親として慕ってるだけで…」
「じゃあ、さっきのは何?言ったよね。おふくろには気をつけろって。」
「だから、何を気をつけるんだよ!」
「こういうことされねーようにだよ。」
「んっ!?」
晃輝の顔がゆっくりと近づいて。
唇に柔らかい感触。
そして、視界は晃輝の顔でいっぱい。
俺、今何してんだっけ…?
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