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ハロウィンSS 飢えているのは血じゃなくて
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※※※以下、ネタバレ有り。完結後設定で書いています。ご注意下さい※※※
「音楽サークルの集まりで、ハロウィンパーティーが開かれるんですけど。」
楠田さんもどうですか、と後輩兼同居人の恋人に誘われた。
ハロウィンSS 飢えているのは血じゃなくて
夕食中。榎野が作ってくれたハンバーグを堪能しながら、年上の男は頭を斜めにする。
「その日は会社休みだし、特に予定もないから別にい~けど。ハロウィンって、あれ??仮装とかすんの??」
榎野は箸で器用にハンバーグを切って、口に運んでいく。…齧り付く楠田と違って、行儀がいい。
「強制じゃないようですけど。」
「ふ~ん。俺、何にしよっかな。」
楠田が呟くと、年下の恋人は目を丸くする。
「…楠田さんはそのままで十分可愛いし、仮装する必要はありませんよ。」
「お前の理論で、俺の仮装を不必要認定すんな。」
惚れた弱みというのもあるのか。近頃の榎野は恋人をぐっずぐずに甘やかす。理性が煮崩れしないよう、楠田は気持ちを引き締めるのが精一杯だ。
「とんでもない。楠田さんが仮装をしたいというのなら、止めはしませんよ。むしろ、大歓迎です。…どんな姿でも似合うでしょうね。小悪魔はどうですか??ピチピチしたエナメルの上衣に中身が見えちゃいそうなくらい短い丈のパンツ…。ああ、忘れてはいけません。お尻から一本尻尾を生やさなくては。先端には三角の飾りが必需品ですね。透明なカチューシャに黒い角もつけましょうか。俺は専門じゃないからよくわかりませんが、これでマウントをとって誘惑されたらどんな男もイチコロだと思いますよ。…ふむ。猫耳もいいですね。楠田さんの猫耳姿。雨の日にみかん箱に入れられていたら、迷わず持って帰って震える身体をシャワーで温めて隅から隅までお世話してあげる…。そうだ、ゾンビナースとかどうです??薄桃の儚い制服に身を包み、ミニスカの裾からは覗くはしたない生足…。ピンヒールは慣れないからよちよち歩きになっちゃうかもしれませんね。俺のエスコートなしでは、まともに立ってもいられない楠田さん…。あ~…。どれもいいですよね。」
「お前のいい、は俺にはどれも不埒にしか聞こえないんだけど??」
もっもっと白飯をかきこみつつ、楠田はぷく~と頬を膨らませる。訝しげな目つきをしている。空咳を一つして、年上の男は続ける。
「俺、もっと格好いいのがいいな。お前は何にするの、仮装。」
榎野は、はぁと気のない相槌を打ってから答える。
「…軽音サークルの女子が俺に似合う仮装衣装を作るっていうから、そっちに丸投げしています。」
「お前ね…。」
榎野は見目がいいから、すぐ女子が周りに寄ってくる。非モテ男子の楠田としては、羨ましいやら妬いてしまうやらで気が休まらない。
「とにかく、俺は楠田さんの仮装を全力でサポートするんで。」
「…気持ちは嬉しいんだけど、俺は自分でやりたいから大丈夫。」
楠田は年上の余裕で、恋人の提案を却下する。
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