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もしも松野カラ松が【一人暮らし】だったら
-
(`-ω-´)
「ただいま〜……って言ったって誰もいないんだよなぁ」
松野家に生まれし次男、松野カラ松。
一人暮らしを始めてはや6ヶ月。
最初は不安もあったものの、意外と快適な生活におどきもあった。
ただ、その快適さに寂しさも感じていた。
別に、実家に遊びに行ってもよかったし…
みんなに連絡して休日にあったりしてもよかった。
でもそしたら、甘えてしまいそうで…
頑張れなくなりそうで……
LINEのグループも、もうずっと誰も話していなかった。
返ってこないお帰りの声。
あぁ、これはいつもだったっけな。
でも、お帰りの声のかわりにあいつらの声、匂い、温かさ。
ベランダで一息つくか、と思ったらパチンコ行こうってお前が俺を連れ回すんだよな。
それが無いだけで、こんなにも違うと思わかなったよ。
シャワーの音だけのお風呂。
最後に銭湯に行ったのはいつだったっけ。
なんか、誰かに会える気がして何度か行ったっけな。
あと5分、あと10分だけ待ってみようって…
のぼせて倒れたりしたっけ。
前はそんなことなかったのにな。
あぁ、お前が「カラ松!のぼせるよ!」って言ってくれたからだな。
一人分の食器の音。
醤油とっての声が懐かしい。
1人だとなかなか鍋とかできないな。
クセでおかずを急いで食べてしまって、ご飯があまるんだよ。
お前が残してるししゃも、友達のだと知らなくて食べて引っかかれたっけ。
チャンネル争いの起きないテレビ。
前は争ってるあいだに見たい番組がどっちも終わったりしてたっけ。野球の試合の流れがわからなくなったってよく怒ってたよな。
誰に取られる訳でもないのに、なんだかソワソワして集中できない。
結局気づいたら、見たかった番組にはスタッフロールがながれてるんだ。
自分だけの布団。
少しいいものを買ってみたんだ。
ふわふわで寝心地もいい。
でもなんだか、すごく寒い。
やっぱり高いからっていいもんじゃないのか。
あぁ、ちがう。
迷惑だったはずの寝相、兄弟の暑苦しい子供体温が今はないからだ。
お前がチョロ松を起こす声が聞こえることはなくなったのに、決まって同じ時間に起きてしまうんだよ。
朝早く鳴る目覚ましの音。
ニート達ご飯よ〜!
…なんて声は目覚まし時計からは聞こえてこないけどな。
温かいご飯、味噌汁、優しい味の卵焼き、母さんが気に入ってる漬物屋さんの漬物。
あぁ、あれがおふくろの味ってやつだったんだろうな。
そんなふうに思いながら、味のないトーストをコーヒーで流し込む。
行ってきます。
戸締まりちゃんとしたの!?
母さんのそんな声が聞こえた気がして、階段をかけあがる。心配性だな。ちゃんと締めてるよ。
1人なんだから俺しか戸締りする人いないんだからしっかりしなきゃいけないだろ?
そう思いながら、毎日2回は繰り返すんだ。
俺の心配性も母さんゆずりらしい。
でも一度大丈夫だぁってぇ!って声が聞こえた気がして、確認せずに出かけたら、鍵空きっぱなしだったよ。
冷や汗をかいたよ。これは兄さんのせいだぞ。
今日も会社でミスをしてしまった。
上司にはすごく怒鳴られたよ。
このクソ松が!!なんて言うもんだからさ、
少し泣きそうにも、笑いそうになってしまった。
そしたらまた怒られたよ。
なんだか、すごく懐かしかったんだ
帰りには同僚が飲みに誘ってくれたよ。
もちろんただ酒なんてもうできないさ。
アドバイスや説教の口調が、あいつそっくりで笑ってしまった。
そしたらばったり上司にあってしまってな。
でも、今日は言いすぎたってお代を払ってくれた。
なんだかんだで、すごく部下思いの人なんだ。
紫のネクタイが、お前を連想させて…
また、泣きそうになってしまったよ。
帰り道犬に追いかけられたよ。
飲んで走ったからまわるまわる。
足がもつれて顔から地面に突っ込んだよ。
なんだか、この感じおぼえがあるな。
あぁ、確かあいつにぶん投げられた時だ。
目が回って大変だったな。
パチンコ屋の前で顔から突っ込むなんて思わなかったよ。
寒さですぐ酔いは冷めた。
絆創膏を買うためにコンビニによった。
そしたらなんだか急に、甘いものが食べたくなって。
ココアプリンをカゴに入れた。そしたら…
前に「そんなの全然インスタ映しないよー!これ!」
そう言ってお前が勝手にカゴに放り込んできたピンク色のムースが目に入って、それも買ってしまった。
スプーンお2つつけますか?って聞かれた時なんだか悲しくなったぞ。
家に帰って、ペンを持ち出してハッとした。
プリンに名前を書く必要なんてないじゃないか。
誰も食べたりしないから。
こんな毎日を、ずっと繰り返している。
一人に慣れる…そんな事にはならなかった。
(`-ω-´)
「………風呂でも入るか」
いつも通りのシャワーの音だけ。
今日は湯船に浸かってみようか。
一人で足を曲げて入る小さな湯船。
狭いはずなのに、なんだかすごく広いような気がした。
ガサガサ…カタッ…ガサ…………
(`-ω-´)
「……ん?」
さっきから数分おきに玄関で物音がしている。
なんだろう…
(`-ω-´)
「おっと…またのぼせてしまう」
今は誰も、のぼせるから早く出ろなんて言ってくれないからな。
湯船から上がりタオルをかぶる。
するとまた…
ガサガサ…カタッ……カタッ…
(`-ω-´)
「なんだ?」
カラ松はササッと服を着て玄関へ向かう。
そして玄関を開けると…
ガンッ…ドサドサっ……ゴロッ……
「い゛っっつぅ!!!」
(`-ω-´)
「え?……え……い、一松っ!?」
そこにあったのは…
( ・᷄ὢ・᷅ )
「ちょっと……もっとゆっくりドア開けれないの?
てか…なんで出てくんのさ……何その顔、傷だらけじゃん」
額を抑えてしゃがみこむ一松の姿だった。
(`-ω-´)
「えっ…あ…さっきから物音がしてたから…え…
えと…顔はその…さっき転んで……あ…えっとなんで一松が?」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「…べ、別に……ヘクショイッ!!」
(`-ω-´)
「あ…よ、よかったら少し上がっていかないか?」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「別に…俺すぐ帰るし…」
(`-ω-´)
「じゃあ、お願いだ。上がっていってくれ」
この時、俺はどんな顔をしていたんだろうか。
多分、もの凄くひどい顔をしていたのではないだろうか。
だって、一松がすごく驚いた顔をしていたんだ。
( ・᷄ὢ・᷅ )
「あ…明日…休みだし…別にいいけど、その前に」
(`-ω-´)
「え?」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「これ、拾うの手伝って」
そう言って指さした先には4つの袋が落ちていて、1つからは缶ビールが転がり出ていた。
(`-ω-´)
「これ…お前がもって来たのか?」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「違うよ…俺はこれ持ってきただけだし」
そう言って、可愛らしい紙袋を差し出した。
中には肉球のマークの饅頭のようなものが入っていた。
ほのかに暖かく、甘い香りがした。
( ・᷄ὢ・᷅ )
「肉球まん……仕事場の…新商品で…おすすめだから…」
一松は目を合わさなかった。
それでも嬉しかった。
(`-ω-´)
「あぁ…ありがとう」
そして一松を部屋に招き入れ、テーブルに四つの袋を並べた。
一松は、なんだか穏やかな雰囲気になった気がする。
( ・᷄ὢ・᷅ )
「多分…僕達六つ子だし…考えるタイミングと…行動に移すタイミングが一緒っていうか…」
少しずつ、少しずつ話してくれる。
( ・᷄ὢ・᷅ )
「なんか……ちゃんと食べてんのかな…とか…」
(`-ω-´)
「うん」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「っ……その…が…………頑張りすぎてないかなっ…とか
……その…思ったり…」
(`-ω-´)
「うん」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「だからっ……なんか………差し入れくらいしたいなって……」
静かな部屋に、自分の声でもなく、テレビの音でもなく、
目覚まし時計の冷たい音でもなく……
一松の声がする…
それだけで嬉しかった、暖かかった、安らいだ。
口数の少ない一松が、一生懸命、少しずつ、話してる。、それがたまらなく嬉しかった。
(`-ω-´)
「うん」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「これも全部、玄関のドアノブにかかってて、みんなも来たんだなって思って……なんか、安心して……」
(`-ω-´)
「うん」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「ぼ、僕が安心するのおかしいけど……ちゃんと皆…
僕達の事を覚えていてくれるんだなっておもって…」
(`-ω-´)
「うん」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「な…何ニヤニヤしてんだよ」
(`-ω-´)
「あっ…ニヤニヤしてたか?」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「うん…すっごいニヤニヤしてた」
(`-ω-´)
「なんかな…嬉しかったんだ」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「……あっそ……ヘクショイッ!!」
(`-ω-´)
「外寒かったな、ココアでも入れようか」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「コーヒーがいい」
(`-ω-´)
「おぉ、コーヒー飲めるようになったのか!」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「はぁ?何子供扱いしてるわけ?」
(`-ω-´)
「あぁ、悪かったwミルクはいるか?」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「……て………」
(`-ω-´)
「え?」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「だからっ!……ミルクとお砂糖いっぱい入れて……」
(`-ω-´)
「……ふ…あははっ!わかった!wたくさんな!」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「わ、笑うなよ!!いいだろ別に!」
(`-ω-´)
「悪かったよwほら、ぬるめに作ったからすぐ飲めるぞ」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「ん……ありがと……あちっ」
(`-ω-´)
「まだ熱かったか!?」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「嘘だよw…猫舌って覚えてたんだね…」
(`-ω-´)
「あぁ……なんだか、お前とこんなふうに話せる日が来るなんて思わなかったよ…」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「………別に僕…アンタのこと嫌いなわけじゃないし…
すっ、好きとかそういうのじゃないけど!!
別に…兄弟だし…心配くらいしたっていいでしょ」
(`-ω-´)
「うん…ありがとう一松」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「べっ…つに……」
(`-ω-´)
「というかみんな何をもってきたんだ…」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「開けてみたらいいんじゃない?」
(`-ω-´)
「…これはおそ松だなw」
コンビニの袋。
中には缶ビールが入っていた。
( ・᷄ὢ・᷅ )
「おそ松兄さんって今何してんだっけ?」
(`-ω-´)
「一応住み込みのバイトがどうとか言っていたな…
お……これはトド松だな」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「だね…さすが女子力の塊」
オシャレだけど落ち着いたデザインの紙袋。
中には少し高そうな箱に入ったチョコレートが入っていた。
(`-ω-´)
「これは…なんだ?」
本屋の紙袋。
2冊の本が入っていた。
【猿でもできる!!パソコン入門】
【犬も食わん料理は卒業!簡単お料理本】
( ・᷄ὢ・᷅ )
「これ絶対チョロ松兄さんでしょw」
(`-ω-´)
「そうだなwだか、俺はわりと料理はできるぞ」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「へぇ、意外だね…でも、ちょっと痩せたんじゃない?」
(`-ω-´)
「まぁ…な……お、これは誰からだ?」
明るい雰囲気の黄色いラッピング風の袋。
中にはクッキーが入っていた。
( ・᷄ὢ・᷅ )
「あ、これどんぐりの形だ…」
(`-ω-´)
「ほんとだ…あ」
もうひとつクッキーを見つけて苦笑いする二人。
( ・᷄ὢ・᷅ )(`-ω-´)
「「聖澤庄之助クッキー…」」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「十四松だねw」
(`-ω-´)
「成長したなあいつも」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「前だったら多分聖澤庄之助にどんぐり持たせて、部屋の前に立たせてたかもよw」
(`-ω-´)
「ホラーすぎるだろそれはw」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「あんた、なんか変わったよね」
カラ松はチョコレートをひとつつまんで口に放り込む。
(`-ω-´)
「そうか?……一松だってだいぶ雰囲気変わってるぞ」
一松にチョコの箱を向けて食べるよう促す。
一松は、白いトリュフをひとつつまんで口に放り込んだ。
( ・᷄ὢ・᷅ )
「そう?」
(`-ω-´)
「あぁ、なんだか…元々だが、穏やかな雰囲気になっている……前は、それを隠そうとしているように見えたんだ」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「そっか………あんたも変わったよ。
なんか…やっとあんた自身と話せたって感じ…」
カラ松はギクリとした。
(`-ω-´)
「そう…か…」
でも、すごく気分は穏やかだった。
(`-ω-´)
「あ、一松」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「ん?」
(`-ω-´)
「ムースとココアプリンどっち食べたい?」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「えっ、なに?あるの?」
(`-ω-´)
「あぁ、コンビニ寄ってな」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「え、なんで名前書いてあんの?w」
(`-ω-´)
「あぁ…なんか癖が抜けなくてなw」
一松は馬鹿じゃんwと笑いながらココアプリンを手に取った。
あぁ、じゃあ俺はムースを食べるか。
トド松のおすすめだしな…
と思っていると一松の手がムースにも伸びた。
あれ、どっちも食べるんだ。
甘いの好きなのかな……
(`-ω-´)
「…紅茶でも入れようか。そのコーヒーとじゃ甘いだろ」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「いいよ別に僕甘いの好きだし…それに…」
一松は器用にプリンとムースを半分ずつ入れ替えた。
( ・᷄ὢ・᷅ )
「美味しいものはどっちも食べたいじゃん?」
そう言って笑った一松の顔がすごく優しくて、この後また一人になると思うと泣きそうになってしまった。
( ・᷄ὢ・᷅ )
「……ほら、食べなよ」
(`-ω-´)
「あ…あぁ……」
ココアプリンはほろ苦くて大人の味だった。
ピンク色のムースは、ラズベリーの味がして甘酸っぱくて美味しかった。
一松は意外にも、写真を撮ってから食べ始めた。
トド松の影響か??
( ・᷄ὢ・᷅ )
「これあげる」
そう言って一松は、ムースの上に乗っていたラズベリーをカラ松の口に放り込んだ。
(`-ω-´)
「あ、いいのか…」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「ん、ラズベリー苦手」
(`-ω-´)
「そうか……ん?」
だったら…
(`-ω-´)
「プリンの方がよかったんじゃないか??」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「……二人で半分こすると…なんか美味しく感じるだろ」
(`-ω-´)
「………そうだなっ!!」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「相変わらずアホズラで笑うのなw」
(`-ω-´)
「あ…そんなひどい顔してるか?」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「ん〜?」
一松は意地悪な笑顔で少しカラ松を見つめたあと、
急に吹き出してこういった。
( ・᷄ὢ・᷅ )
「さっきの捨て犬みたいな寂しそうな顔よりもさ、
こっちの方がよっぽどいいよ」
(`-ω-´)
「すて…え??」
キョトンとしたカラ松に一松がいう。
( ・᷄ὢ・᷅ )
「さっきさ、俺に上がってけって言った時。
行かないで、一人にしないでって言われた気がして。
まぁ…僕のうぬぼれかもだけどさw
そんな寂しそうな顔したやつ…置いて帰れないでしょ?」
(`-ω-´)
「一松……」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「で、こんな時間なんだけど?」
ふと時計を見ると、2時を回っていた。
(`-ω-´)
「あ、すまん!こんな長々と…」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「外寒いしさぁ〜、もう動きたくないわぁ〜」
(`-ω-´)
「ごめんな…付き合わせて…」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「…いいよ別に………その代わり枕だけ貸してよね」
(`-ω-´)
「と、泊まっていってくれるのか!?」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「別にあんたのためじゃないし!!」
(`-ω-´)
「す、すまん…」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「……風呂貸して」
(`-ω-´)
「あぁ、いいぞ。寒いだろう早く入ってこい。
服は準備しておく」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「いいよこれ着るから」
(`-ω-´)
「俺のジャージ貸してやるよ」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「……ありがと」
そのうち、お風呂場からシャワーの音が聞こえてきた。
自分以外の人がいる、家族がいる、一松がいる。
それだけですごく安心した。
( ・᷄ὢ・᷅ )
「……ありがと」
少し大きいジャージを着てお風呂から出てきた一松は、
なんだかソワソワしていた。
(`-ω-´)
「人の服は落ち着かないかw」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「別に…そんな気使わないでしょ…家族なんだから」
(`-ω-´)
「………………だな」
家族なんだから
その一言でどれだけ救われたかを一松は気づいているんだろうか。
結局その夜は、一松が俺が畳で寝るのを許さず、なんだかんだで一緒に寝ることになった。
布団に入ってから、ポツリポツリと…
一松と会話をし続けた。
( ・᷄ὢ・᷅ )
「なんか、懐かしいね」
(`-ω-´)
「あぁ、そうだな」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「こんな遅くまで起きてて大丈夫なの?」
(`-ω-´)
「明日は俺も休みだから大丈夫だ」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「そっか……なんかさ、一人の布団って広いよね」
(`-ω-´)
「……あぁ、そうだよな」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「お風呂ってさ、あんなに静かだっけ」
(`-ω-´)
「…あぁ……もっとにぎやかだったよな…」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「母さんのご飯ってさ……美味しかったよね…」
(`-ω-´)
「あぁ…おふくろの味ってやつだな…」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「そろそろさ、トド松がチョロ松兄さん起こす時間だよね」
(`-ω-´)
「あぁ、そうだな…」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「また……ここ来てもいいかな…」
(`-ω-´)
「………あぁ、いつでも遊びに来てくれ…」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「僕…今日仕事でミスしちゃった…」
(`-ω-´)
「あぁ、俺もだ……」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「すっごく怒られたよ…」
(`-ω-´)
「あぁ…一緒だ」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「でも、みんないい人なんだ。
今の仲間も、仕事も大好きなんだ。」
(`-ω-´)
「……そうだ。そうなんだよ…だから…」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「だから…がんばりたい」
(`-ω-´)
「あぁ…その通りだ…」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「でもすごくきつくって……誰かに弱音を言いたくて…
でも、それをしちゃったら頑張れなくなっちゃう気がして…」
皆……頑張っているんだ。
気持ちは…同じなんだって思った。
( ・᷄ὢ・᷅ )
「苦しくて、怖くて、どうしようもなくなった時…
あんたに会いたくなったんだ……」
(`-ω-´)
「一松……」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「店長がさ、あんたみたいなことばっか言うんだよ
分かってるよって…信じてるよって…」
(`-ω-´)
「……」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「そんな事ばっかりいうから…どうしようもなく…
あんたに会いたくなった……
玄関に来た時に…お風呂場からシャンプーの匂いがして
あぁ…ここにちゃんといるんだ…会えるんだって思った」
(`-ω-´)
「そうか……ありがとう…」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「また……ここに来ていいかな…」
(`-ω-´)
「ああ、いつでも遊びに来てくれ…
コーヒーのミルクを買い足しておくさw」
( ・᷄ὢ・᷅ )
「次来るまでに…コーヒー…飲めるように…な…るもん…」
そう言って、一松はカラ松の服の裾を握ったまま眠ってしまった。
(`-ω-´)
「一松……ありがとうな…」
あぁ、そう言えばあのチョコレート酒が入っていたっけな…。
俺は酒が強くなったが…
一松は…酒が弱いんじゃなかったっけ……
そんなこと思いながら一松の子供体温を感じながら、
カラ松は眠りについた。
肌寒さで目が覚めた。
(`-ω-´)
「……一松…一松?」
起きると隣に一松はいなかった。
代わりに机の上に置き手紙があった。
『昨日はありがと。
急に仕事入ったから行くね。
鍵かりたから、ポストに入れたからね。
服は、次来る時に返すから。一松』
すごく綺麗で丁寧な字で書いてあった。
(`-ω-´)
「頑張ってるんだな……」
本のページを開いて、トーストのレシピを探す。
簡単に作れるレシピが沢山あった。
あ、でも……
今日は一松が持ってきてくれたやつを食べよう。
ピンクの肉球はチョコまん、黄色い肉球はチーズまん
だった。
美味しかった。
そして何気なくスマホを見ると通知。
画面いっぱいに広がる懐かしい名前。
少しだけ名前は変わっているが、個性が現れて微笑ましかった。
一松:写真を送信しました
一松:また遊びに行くからw
そこにはカラ松の寝顔が写っていた。
カリスマレジェンド:えぇー!まじでか!!
トド松♡:一松兄さんずるい〜!
松野チョロ松:ちょっと!声掛けてくれたっていいのに!
じゅうしまつ:一松兄さんやりますなぁ!
カリスマレジェンド:長男差し置いてなにやってんだよ!
一松:写真を送信しました
トド松♡:あぁ!これ僕が好きなやつ!
じゅうしまつ:半分こですか!!
松野チョロ松:何お前ら随分仲良くなってんじゃん!
カリスマレジェンド:なにそれ俺もやりたいいぃい!!
半分こおぉおおおぉおおぉ!!!
一松:あ、トド松。チョコ美味しかった(・∀・)
トド松♡:なんであんたが食べてんの!!
カリスマレジェンド:おいカラ松〜!!兄ちゃん差し置いてなに弟とイチャイチャしちゃってんのよ〜
松野チョロ松:ちゃんと食べてんの??今度行くから!
トド松♡:あ!ずるい!僕も行く!カラ松兄さん休みいつ!?
じゅうしまつ:カラ松兄さん聖澤庄之助どうでしたかい!
一松:お前あれ力作だったな
じゅうしまつ:かのちゃんと頑張ったんだよ!
(`-ω-´)
「………お前達…」
カラ松は憑き物が落ちたように体が軽くなった。
一松はわざとグループLINEにしたんだろう。
話すきっかけを作るために。
すごく勇気がいっただろう。
六か月前から止まったままの時間を動かしたのだから。
カラ松はスマホの上で指を滑らせる。
一文字一文字心を込めて、打ち込んでいく。
Karamatsu:お前達大好きだ!!!
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