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「たっだいまー!!っと。いちご大福いちご大福〜♪」
帰ってる途中で、そう言えば今日は学校から帰ってきて食べようと思っていたいちご大福があることを思い出した。
いちご大福は俺の大好物。普通の雪見大福も美味しいけど、いちご大福の方が好き。てかいちごが好き。シェイクもストロベリーだし、自販機やコンビニで買うのはいつもイチゴ牛乳だ。
そういうわけで、思い出してからはスキップしそうになるのを抑えながら、ニマニマするのは抑えられず、物凄い楽しみしてに帰ってきた。
のだが、絶賛絶望中だ。
「…………ない…?いちご大福が…ない…??」
そう、ないんだよ……いちご大福が………!!!
何で!?ちゃんと名前書いて大事に大事に保管してたのに!!何でぇ!?
「あ、和、おかえり。」
と、ここで兄ちゃん登場。いつも兄ちゃんを見て思うのが、どうして同じ親から産まれたはずなのに兄ちゃんはこうも美形なのかと言うことだ。だがそれは今はいい。
「…はっ、あ、兄ちゃん…ただいま…突然だけど俺の大事な大事ないちご大福知らない…?」
「あー、俺の腹の中じゃね?」
…………腹の中、だと…?
「兄ちゃんてめええええええええ!!!!!」
こやつが犯人か!!くっそ!くっそ!!兄弟仲はだいぶ良好だけど、これだけは許せない…!!俺の大事な大事ないちご大福を食べるなんて…!それだけは誰であろうと許せない…!!
いちご大福は俺の中で絶対なのである!!!
「どれだけ俺が楽しみにしてたと思ってんのさ!!スキップ抑えながら帰ってくるの神経使ったんだぞ!!」
「どこに神経使ってんだよ…別にいいだろ?また買えば…」
「ばっかそれじゃダメなんだよ…!!また買えばいいかじゃダメなんだよ…!!なんか、こう、上手く説明できないけどそれじゃダメなんだよぉ…!!!」
「はぁ。」
こいつめっちゃ面倒くさそうな顔してやがる!!
大体何で食べてんだよ!!名前書いてたよな!?でかでかと!!結構適当な性格の兄ちゃんでもさすがにあんだけデカく書いてれば目に入ると思うんだけど…!!
何ならいちご大福が俺の大好物ってことも知ってるはずなんだけどなぁ…!
「あー!完全に怒った!超怒った!兄ちゃんが反省して俺に土下座していちご大福を弁償してくれるまで許さないー!べーっ!!うぇーっ!!」
とか何とか今時の小学生でも言わないようなことを喚き散らして、何かそのまま部屋に戻るのが悔しくて家を出てしまった。
家を出てしまった。
あっ、どうしよ。
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