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その2
-
──ガチャッ
「ただいま」
今日は母さんまだかえってきてないんだ。
(──ごめん…)
ッ!!
ト、ト、ト、ト、ト
ガチャッ、バタン
玄関の扉を閉めて自分の部屋へと階段を上がって行き、
自分の部屋へと入った。
…ボフン
今は何も考えたくなくて、それに少し眠かったから
寝ようと思って、制服を着たまま布団にダイブした。
何でいきなり澤木さんの言葉が頭の中で流れたんだろう。
分かん、ないや
…澤木、さん
─────────
───────
─────
───
─
「─俺、は…………っ……ごめん」
「…っ」
「六弥のこと、まだ好きじゃない、んだ。なんて言うか、
その、六弥は俺にとって、弟みたいな存在、でさ…。」
…そ、なんだ
やっぱり澤木さんは俺のこと、好きに、なれない、んだ。
分かってたけど
でも、やっぱり辛い、や
「六弥、本当にごめん。まだ、好きになれ、ないんだ。」
「……そう、ですか」
澤木さんの顔を見れなかった。
澤木さんの顔を見たら、泣いちゃいそうで、
我儘、言っちゃいそうで。
澤木さんに、こんなことで迷惑はかけたくないんだ。
…って、何言ってんだろうな、俺
澤木さんに色々迷惑かけておいて、
迷惑かけたくないって、矛盾、してるよね
「六弥、今の六弥には残酷な言葉だけど、
俺は、六弥のことが好きじゃないけど、でも、
離れたくないんだ。振っておいて、
こんなこと言って本当にごめん。」
苦しそうに言う澤木さんが、聞いてられなかった。
澤木さんには、いつもみたいにいてほしいから。
いつもの澤木さんが、大好きだから。
だから、そんな辛そうな澤木さんは、見たくないんだ。
自分も、辛くなるから。
だから…、だからね、澤木さん
「澤木さん、そんな、辛そうにしないでください。
俺は、いつもみたいな澤木さんの方が大好きです。エヘヘ」
そう、澤木さんの顔をちゃんと見て言って、笑って見せた。
「!…六弥、ごめん、でも、ありがとうな」
ぎゅっ
澤木さんはそう、まだ顔を歪めながら言って俺を抱きしめてきた。
チクッ
…あれ、おかしいな
抱きしめられて嬉しいはずなのに、なんで、辛くなるの?
分かんない
わかん、ないよ…
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