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その9
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「ぅ……グスッ、ぅえ…ッ…」
家に逃げ帰ってから、ずっと溜まりに溜まってたのか、
涙が一気に零れ落ちてきて、嗚咽も一緒に出て来た。
泣けば泣くほど、抑え続けてた感情も
込み上げてきて、涙と嗚咽は全く止まって
くれることを知ってくれなかった。
──コンコン
「む、六弥。最近本当にどうしたの?
…今、六弥泣いているんでしょう?お母さんも
お父さんもあなたの事がしんぱいなのよ。
だから─」
お母さんがここのところずっと様子がおかしい俺を
心配して、直接部屋の前まで来てそう言ってきた。
けど、今の俺にはそれがすごく嫌で、
ほおっておいてほしかった。
だから、つい
「っ、うるさい、うるさいうるさいうるさいうるさい!!!!」
お母さんを
「ッ!?む、六弥」
「うるさい!!ほおっておいてよ……っ
ほおっておいてくれよぉ!!!」
怒鳴った。
「っ…ごめんね、むつ、や。
でもね、お母さんとお父さんは、
貴方の味方だから、ね…っ」
そう言ってお母さんは俺の部屋の前から消えていった。
お母さん、ごめん、ごめん!
本当に俺のことを心配してくれて、
色々言ってくれたのに、怒鳴っちゃって…っ。
こんなどうしようもない息子で、ごめんなさい…!!
ブーッブーッ!
「!…グスッ、ぅ、、な、に?………………!!
うぅぅ、澤木、さっ…ぅえ─。」
携帯が通知音を発して何かと思ってみれば、
澤木さんからメールが来てた。
その、内容、は
"よっ、六弥。
テストお疲れ様!
数学はちゃんと解けたかな?
六弥のことだから落ち込んでるかもしれないけど、
元気出せよな。
六弥頑張って勉強してたからな。
その頑張りはいつか絶対報われる時は来るから。
ところで、今週の休日にやっと久しぶりに会えると
思うと楽しみでい方がないよ(笑)
はやく元気溌剌で突進してくる
勢いの安定の六弥に会いたいよ。
とりあえず今週の残りの平日も頑張れ!"
澤木さんのメールを見て、余計に涙が出た。
澤木さん、俺も、澤木さんにはやく会いたい、よ…っ。
け、ど、今の俺は、澤木さんの望む俺、じゃない。
俺…"俺らしく"、いないと。
も、苦しい……っ
Act.8 : 壊れゆく 終
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