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甘ったるい新婚生活④
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スーパーからマンションへ帰ってきた俺はもうヘトヘトだった。
「はぁっ、はあっ、……やっと着いた……。」
ドアの前で買い物袋を一旦置いて手を休ませる。うう……手がじんじんする。
少したって、家に入ろうとした時に、ふと思い出した。
(これって…なんて言って入ればいいんだ?)
自分だけだったら無言で入っていくけど、圭吾さんが居るならそうはいかない。やっぱり「ただいま」?いや、俺の家ではないんだから「おじゃまします」?それとも基本の挨拶で「こんにちは」?
「考えれば考えるほどわかんなくなってきた…」
……圭吾さんは嫁とか何とか言ってた気がするけど、本当にそう思ってるわけではないと思う。だからといって、同じ家に住むのだしよそよそしいのも……。
「輝?何やってるの?」
「うわぁっ!?!?」
いきなり後から名前を呼ばれて飛び上がる。
「け、けけ圭吾さん!おかえりなさい!ど、どこか行ってたんですか?」
「…うん。ちょっとだけ事務所に寄ってたんだ。ごめんね、今鍵開けるから。」
「そうなんですか…。ありがとうございます。」
買い物袋を持って行こうと手を伸ばすと、先に圭吾さんに持っていかれてしまった。
「あ、俺がやります!」
「いいんだよ、これくらい。重かったでしょ。」
「でもっ、…あ。」
彼はスタスタとリビングへ歩いていってしまった。圭吾さん優しいな……。あ、お礼言い忘れちゃった。
急いで靴を脱いで後を追う。袋の中身を片付け始めた圭吾さんに並んで中身を整理しながらお礼を言った。
「ありがとうございます…。今日、調子乗って買いすぎちゃって。」
「あはは、うちの冷蔵庫何も無かったもんね。色々必要だったか。」
「はっ、はい。でも!今日は腕によりをかけてご飯作るので、楽しみにしててください。」
ふん!と腕を叩く。せめて食事は手が込んだものを!!
「それは楽しみだ!お腹を空かせて待ってることとしよう。
……ねえ輝。」
「何ですか?」
「さっき玄関で止まってたのって、なんで?」
「!」
予想外の言葉を言われ固まってしまった。
そ、そんなこと、なんで聞いてくるんだろう。でも本当の事を言ったら困らせてしまうかもしれない。
「別に、買い物袋が重くって
「何か考え事してなかったかな。輝の悩み事は、俺も聞いてあげたいなって思うんだけど……。」
圭吾さんの口調は下からだけど、答えざるおえないような低い声。そして真剣な目。
こんなかっこいい人にこう言われては、断るなんて出来ないじゃないか……。
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