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そう上手くは言えない。
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マンションへ入りエレベーターで自分の階へと上がる。
自分の住んでる階は最上階に近いから、階段を使った事はほぼない。というか上がろうとすると物凄い運動量になりそうだから上がりたくない。
最上階を示すボタンが光りチーンと音が鳴る。
エレベーターから降りて右に曲がると、自分の家の前に輝が立っていた。
「あ、輝!」
「……」
……あれ?声が聞こえないのか……?
輝はドアの前に立ち尽くし、何か考えてるようだった。
輝の眉間に、深い皺がよっている。
そのまま歩いていき、後ろに立って声をかける。
「輝?何やってるの?」
「うわぁっ!?!?」
オーバーな位に飛び上がる輝は、焦ったような顔をしてしどろもどろに話す。
これは……何か隠したな。
軽く言葉を返して鍵を開けてやり、重たそうな荷物を代わりに持ってやり家に入る。
というか本当に重いなこれ……方が抜け落ちそうだ。一体どれだけ買ってきたのやら。
ありがとうございます……と輝が申し訳なさそうに話し出す。なるほど、俺の家には基本的な自炊道具も揃っていなかったか……。話している途中の彼の顔はキラキラしていて、その心の中に何か悩み事があるのなら聞いてやりたい。
「……ねえ、輝。」
「何ですか?」
「さっき玄関で止まってたのって、何で?」
「!」
また大きく体をビクつかせ驚く。
「別に、買い物袋が重くって……」
そんなのは嘘だ。
「何か考え事してなかったかな。輝の悩み事は、俺も聞いてあげたいなって思うんだけど……。」
極力圧力をかけないように話す。
けど、答えないと、逃がさない。
困って潤んだ瞳が揺れる。
少したって輝が話し出した。
「じ、実は……」
「家に帰ってきた時なんて言えばいのか、わ、分からなくて……」
「……へ?」
それだけ?
「ごめんなさいっ!困らせたい訳じゃなくて……。その、このお家は圭吾さんのお家だし、俺の家じゃないし…。ただいまもお邪魔しますも違うなって……」
「…はは、良かった……。」
「え?」
輝の頬に手を添える。
「輝が…、何か辛いこととか抱えてるのかなって思って。でも、良かった。」
「あの、」
親指で優しく頬を撫ぜる。
「……帰ってくる時は、ただいまでいいよ。」
「圭吾さん…っ!」
ドンと輝が抱きついてきた。
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