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美紅が買って来た玉ねぎを、まとめて雪斗に差し出した。
「あんたはこれむいてちょうだい」
「はいよ」
玉ねぎをむきながら雪斗は、ふと思い出して美紅に尋ねた。
「ところで姉ちゃんは卒業したらどうするの?」
「どうするって、勿論就職するつもりよ」
美紅が人参を切りながら答える。
「大学にはいかないの?姉ちゃん成績いいし前に先生になりたいっていってたじゃないか」
雪斗の言葉に美紅がふと手をとめた。
「無理に決まってるじゃない。家にはそんな余裕がないんだもの。それに早く自立しないとお姉ちゃんだってお嫁にいけなくなっちゃうじゃない」
「それはそうだけど……」
「あんたもわたしのことより自分の心配しなさいよ。もしあんたにやりたいことあるなら応援するから」
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