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家を飛び出した後、雪斗はふらふらと暗い道を歩いていた。
確かに美桜も海斗も妹弟のために犠牲にしてきたものが多い。
美紅だって家族のために我慢していることが多く家事を頑張ってくれている。
結局、末っ子の自分だけが何も出来ずに兄姉の負担になっているのだ。
しかし、自分にも苦しみがあることを兄姉たちは知らない。
誰にも打ち明けられず、つい行き場のない苦しみから兄姉に心ない言葉をなげかけてしまったことに後味の悪さを感じた。
「なんか頭いたい」
目の前がくらくらし、喉の痛みを感じた。
風邪をひいたのかも知れない。
家に帰ろうか迷っていると、ふと肩に手を置かれた。
「よう!君一人なの?俺たちと遊ばない」
声の方向に振り向くと派手な格好の男性たちが三人ほど立っていた。
「うぉっ!めちゃめちゃ可愛いじゃん」
「こんな時間に女の子一人じゃ寂しいだろ。一緒に楽しいことしようぜ」
また女子に間違われて絡まれたのだ。
「俺、女の子じゃないんで、男ですからかまわないで下さい!」
むっとして強気で返し逃げだそうとすると、両側から腕を掴まれた。
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