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泊まり
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アパートへ連れられてから夜になった。
自分の持ち物とか何もないから暇暇だ。Aはそんな僕を無視して書類に目を通していた。
「なぁ、風呂入る。色々教えて」
そう言うと、Aは立ち上がり、面倒臭そうに教えてくれた。僕はそれを聞き流しては適当に相槌を打っていた。
「ふぁ〜あ、なんかもう眠いやぁ。入れてよA」
『甘え野郎が、最初から聞く気なかったな?このまま放置されたくなかったら、てめぇで脱げ』
「えぇ〜……」
渋々言う通りにする。正直腕上げるのも痛い。
切り傷よりも痣が痛くて少し動かすとズキズキする。はやく自然治癒力で治らないかなぁ…
全部脱いでしまうと、Aに引きずられ椅子に座らされた。最初はシャワーで頭や身体を綺麗に流してくれた。
「いたっ、いたいっ、たたた!!」
次はシャンプー&リンス、そして沁みないようにか、素早く身体を洗ってくれた。
「でもいたい!!泣きそう!!あっ涙出た!」
『ぴーぴーうるせぇ野郎だな。目瞑って寝とけ。痛みなんて感じなくてすむぞ』
「いじわる〜〜。恋人居ない歴ながそ〜」
じと〜っと睨んでみせるが、気にもしないで僕を浴槽にゆっくり入れる。
温かいけど、やっぱりだんだん痛みが襲ってきた。
『ふっ、居ないの前提かよ。そういやお前年はいくつだ?』
「え〜?いきなし〜?……30!」
『ククッえらくサバ読んだなぁ』
「ははっ!日本人は童顔だし通じるかなぁと。う〜んと、20かなぁ」
そう言うと、グイッと顔を寄せられ、耳元にAの唇が触れたような気がした。
突然のことに凍ってると、可笑しそうに笑いながら顔を離していった。
『大人を名乗るには早かったようだなクソガキ。顔が赤いぞ』
「〜〜ッ!!卑怯だ!ずるいやA!」
『嘘つくからだバァカ』
ザバァと浴槽から抱き上げられ、バスローブを着せられる。サイズは合っていないけど、まぁ仕方ないよね。
「もう眠い。疲れた〜。ベッドどこ?」
ズルズルとバスローブを引きずりながらAの後ろをついていく。奥の部屋には1つのベッドと本棚やクローゼットがあった。どうやら寝室のようだ。
僕はヘロ〜っと力無くベッドへ倒れると、Aが溜息を吐きながらも布団の中へと入れてくれた。
すぐに明かりは消されてAは出ていった。またあの書類の山に手を出すんだろうか。目が疲れそう。
「あーこのベッド、すっげー気持ちぃ。しあわせ〜」
僕は羽毛のようにふわふわな気持ちのまま、眠りについたのであった。
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