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自分のものだとおもっていた④~腐二次創作弱虫ペダル荒北
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インハイ。
今年は出場できなかった。
まあ、補給も大事なしごとだかんね。
福チャンは6人目。
2年生にしてエースだぜ。
そして千葉からはあの学校がきてた。
県立総北。
あの緑髪のいるとこだ。
東堂が一番にすっ飛んでいった。
巻ちゃん!
抱きつかんばかりに飛び跳ねているが、緑髪はちょっと迷惑そうだ。
だよね。
仮にもインハイだ。
野球でいえば甲子園。
常勝校ならいざ知らず、きのうきょう出場したようなガッコは、緊張だけで手一杯だろう。
デリカシーに欠けてると思った。
静寂。
緊張。
フラッグが振られたが。
まさか福チャンが
あんなことになるなんて!
71は肋骨いって外傷もたくさんで、俺、ほんとにどうしていいか、どう言っていいかわからなかった。
新開が、福富にはたくさんのプレッシャーがかかっていたのだと言ってたが、そんなん理由になるもんかヨ。
謝れヨ!
謝れって自分も謹慎しろヨ!
けど箱学(がっこう)は、ロを拭ったまま、優勝を受け入れやがった。
直後にうさぎの事件もあって、新開まで走れなくなって、箱学競技部は正直ボロボロだったんだ。
なのにあいつだけ、東堂だけは変わらなかった。
好きなように山をやって、相変わらず緑髪に電話しまくっていた。
いっこうに出んのだよ。
当たり前だって!
福チャンには新開がついてる。
俺は出かけても大丈夫だよな。
俺は自転車を飛ばした。
千葉へ。
どうするつもりもこうするつもりもなく、ただただ千葉を目指した。
総北の場所はあれからちゃんと調べて知ってた。
でも箱学の俺が、どの面下げて総北の門をくぐれるよ?
逡巡して逡巡して、結局俺のビアンキは、峰が山を登っていた。
果たして緑髪は、あの駐車場の奥まったベンチにいた。
携帯がひっきりなしに鳴る。
緑髪は止める。
また鳴る。
また止める。
延々の繰り返し。
ついに緑髪は携帯を投げ捨てようと振り上げたので、俺は慌てて飛び出していった。
取り上げて、マナーモードにする。
それだけのことだったのに、思いつかなかったらしく、緑髪はちょっと赤面して、携帯をポケットにしまった。
何でここにいる。
謝りにきた。
荒北ッチが謝ることじゃないッショ。
いや。
俺もその、箱学だからヨ。
互いにそこで黙った。
自転車にアクシデントはつきものッショ。
言いながら、ペットボトルのドリンクをストローで飲む。
ストローで?
目を丸くした緑髪は、改めてもう一度赤面した。
わっ、笑ったから、勝負ッショ!
この峰が山で俺を抜け!!
そしたら許してやるッショ!
もうタイムは走り出していた。
あいつの自転車に追いつくために、俺は必死で加速する。
加速しても加速しても加速しても、あいつのタイムは前にいる。
左右に揺れる髪。
陽光にきらめく汗。
こいつも山の、神だ…
神だけど
抜かなきゃ横に並べない。
踏み込んで、
胸つぶれそうにして、
勝ち取った!
そのまま草地に倒れ込んで、やつは俺の胸に落ちてきた。
見つめ合ったまま、
ふと気づくと、
俺たちの唇は重なっていた。
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