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二度目の
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前の学校の時もこうやって職員室に来て担任になる先生とお話した
学校側も不登校の転校生にどう対応するか考えないといけないと思うし、祐兄も自分の有利になるように働きかけるんだ
こうゆうときは冷静に判断できるのに
どうして祐兄のことになると冷静になれないんだろう
「よろしくお願いします」
声が聞こえて前を見ると優しそうな男の人がいた
お父さんに似てる…
「咲の兄です。これからよろしくお願いします」
祐兄と俊兄が頭をさげていた
「今年度、2年生の学年主任と2年1組の担任の松原です」
「よ…よろしくおねがいします」
声までお父さんに似ていて泣きそうになる
ごめんなさい…
こんな子に育っちゃってごめんなさい
「咲、今からのことを考えろ。大丈夫だ」
どうしていつも俊兄は僕のほしい言葉をくれるんだろう
「お兄さん二人は転入の手続きとお話をしたいのでこちらにお願いします。咲くんは中野先生と一緒に」
「はじめまして、2年1組の副担任の中野です」
「はじめまして…」
中野先生の後について行って教室の前に来た
扉の上のプレートには2年1組と書いてあった
「ここが教室です。適当なところに座ってください」
「はい」
家を出るときも祐兄から特に説明をされてないから今から何があるのかわからない
心臓がうるさい
「そんなに緊張しなくても大丈夫だよ。今から少し勉強しようと思ってね」
敬語でなく優しい雰囲気に変わった
「勉強?」
「そう、中1の範囲がちゃんとできないと2年生は苦しいからね」
「はい…」
勉強は祐兄に言われてしていたけど、毎日していたわけではないし自分でしてたから習得できているかわからない
「まず、教科の説明からしようかな」
2年生担当の教科の先生を写真を見せてくれながら教えてもらい、1年生の応用を使う新しい単元を説明してもらった
「ざっと説明したけど、1年生の範囲でわからないところある?」
「今のところ、大丈夫です…」
「賢い子だとは聞いてたけど、すごいよ。自分で勉強して中学の基礎固めちゃうなんて」
褒めてもらえて嬉しい
ほんとは今説明してくれた2年生の範囲ももう勉強していた
勉強面は大丈夫そうだ
不安が一つ消えた
「あっ…ありがとうございます」
「これから一年間よろしくね!悩みごととかなんでも相談してね、僕でも松原先生でも」
「はい」
自然と笑顔になれた
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