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本音
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朝起きると、隣で寝ている竜がうなされていることに気付いた。
暫く竜を抱き締め、トントンと背中を軽く叩き、落ち着かせていた。
どんどん、落ち着いてきて今は俺の腕の中で穏やかに寝ている。俺はこれからの事を考えると頭痛がした。過去の傷を思い出し、竜の心はどの位、引っ掻き、掻き乱されたのだろう?
俺に出来ることはほんの一握りの事しか無い。
それからの事は、竜自身がどうにかしなければならない。
「竜、俺には秘密がある。それを伝えれる日が来るかどうかは、おまえ次第だ。それを知って俺を嫌いになっても、それは俺の自業自得だ。お前はあんまり気にすんなよ?」
俺の心の声を、竜が寝てる間に口にする。
俺は何時も、人に見せる顔の時は感情を俺の中に閉じ籠めている。それこそ竜と一緒に居るときも。
だから、感情を本音を表に出して言うのは久し振りだった。俺自身の本音を聞くと、やっぱり悲しくなった。
竜には嫌われたくない、ずっと俺を頼って生きていけば良い。俺だけを頼って欲しい。
俺のエゴだけで、竜を駄目にする事だけは俺自身が許さないが、こんなことは駄目だと分かっていてもつい思ってしまう。
こんなことを思う度に、俺は汚い人間だなと思う。竜に触れて良いのか、汚れてしまわないだろうか?結局は自分よりも相手を優先する。
相手のために尽くすしか出来ないから、せめてそれだけでもやろうと、足掻く。
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