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13※(R18)
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「ん…っ、くっ…し、しんご…」
「きもち?」
慎吾の右手が壮馬のペニスを包み込み、上下に扱く。自分で抜くのとはまるで違って、いつもより数倍の快感が体を駆け抜ける。自然と漏れてしまう声を何とか堪えようと唇を噛み締めるが、僅かに開いた隙間からくぐもった声が漏れる。
慎吾は壮馬の表情を見て尋ねるが、壮馬は答える余裕なんてなかった。ただ、瞳をギュッと瞑り必死に快感に堪えようとしているのを見るだけで口には出さなくとも壮馬が気持ちいいかどうかなんて分かった。
「ほら、壮馬、手止まってるよ」
そう言って慎吾は手を動かすよう催促した。
壮馬は慎吾に与えられる快感に耐えながら、ゆっくりと慎吾のペニスを手に包み、ゆるゆると扱き始める。
(くそ…こんな所で、こんな恥ずかしい事、誰かに見られたら…っ)
そんな考えが頭の隅の方で過ぎる。防音扉には小さな覗き窓がある。その窓に背を向けるような形で壮馬は慎吾と向かい合っている。丁度自分が盾になっているので、抜きあいをしている所は例え窓から覗かれたとしても見えないであろう。だが、万が一、バレてしまったら。
「壮馬、何考えてるの?」
「っあぅ、ん!…ぁっ、んん…!」
慎吾の手つきが激しくなる。急な快感に壮馬は閉じていた口を開き、少しだけ声を出すがすぐに手で口を抑えて声を我慢する。トロリと尖端から蜜が溢れてきて、そのお陰か慎吾の手の滑りが良くなり、快感はより一層強くなる。
「…んっ、ふふ、壮馬上手…」
一方、慎吾のペニスからも先走りがトロリと溢れてきた。それを利用して壮馬が扱くと、気持ちいいのか、慎吾の表情から余裕の色が少し薄くなり、代わりに気持ちよさそうにうっとりと目を細めている。
「…きもち?」
「うん、すごく」
舌っ足らずに尋ねれば、慎吾は頷くと壮馬の唇にキスをした。
くちゅ、ちゅく、ぐちゅ。
卑猥な水音が室内に響き、耳を犯してくるようだった。
「…っ、そうま、イク…!」
「おれ、も…っ!んぁぁ!」
「んっ……!くぅ…!」
ドクン。と大きく脈打ち、互いの掌に己の欲望をぶちまけた。ペニスから手を離し、ドロりとした慎吾の白濁を見る。指を開けば指と指の間に白い線が引かれた。
荒い呼吸を繰り返し、二人は欲望を吐き出し萎えたペニスをそのままに背もたれにぐったりと体重を預けた。喉が乾ききっており、頼んでおいたジュースをストローを使わずそのまま一気に飲み干す。
「ん、ティッシュ」
「サンキュ」
部屋に用意されているボックスティッシュから何枚か引き抜き、慎吾は壮馬に渡すと汚れた掌とペニスを拭う。壮馬も汚れた場所をティッシュで拭い取ると、ペニスを下着の中に仕舞い下ろしたズボンを履き直した。
「スッキリしたし、帰ろっか」
「…ん」
ニコリと微笑みながらそう告げた慎吾に頷き、二人は荷物を持って部屋を出た。カラオケ店を出ると、外はもう真っ黒な空に変わっていた。満天の星空、とは言えないが、ポツポツと小さな星が夜空に浮かんでいる。
昼よりも少し冷えた気温に身震いをする。ポケットに手を突っ込み暖を取ろうとするが、慎吾の手が自分の手に絡まってきてそれは叶わなかった。
「…慎吾、誰かに見られたら…」
「暗いし人いないし、大丈夫」
「…ちょっとだけだからな」
幸せそうな慎吾に、壮馬は彼の好きなようにさせることにした。幸い、道には二人の姿以外誰もいない。薄暗い夜道に二人だけの足音が鳴る。
「まさか、壮馬とあんな事本当にしちゃうなんてね」
「…思い出すと恥ずかしいからやめてくれ」
「これからもっと恥ずかしいことするつもりだけど?」
街頭のオレンジ色の光が慎吾の意地悪な笑みを照らす。慎吾のもっと恥ずかしいことが何を指すか、年頃である壮馬には分かっていた。カッ。と顔に熱が集中し黙ってしまった壮馬に、慎吾はクスリと笑うと「冗談」と言って歩き始める。
「壮馬が嫌がることはしないよ。折角恋人になれたんだもん。嫌われたくないしね」
「…嫌いになんかならねぇよ」
ボソリとそう呟けば、慎吾は少し驚いたように目を見開き、そしてまた嬉しそうに細めた。
「ふふ、そっかぁ。…俺も、壮馬のこと嫌いになんかならないよ」
「慎吾、顔真っ赤」
「そういう壮馬も」
そう指摘すれば、慎吾はパッと顔を逸らして言い返してくる。が、壮馬の耳にはそれは聞こえなかった。全校生徒の前で長い演説をしても緊張の色なんて見せず、涼しい顔をしてこなして見せる慎吾が、今自分の目の前で、自分の言葉で照れて赤くなっている。これも、自分だけしか見ない慎吾の顔の一つなのだろうか。
「俺、思ってた以上にお前のこと好きかも」
「壮馬、そろそろやめようか?」
首まで赤くなりながら慎吾がいよいよストップをかけた。もっと慎吾の新たな一面を見たいという欲求があったのだが、あとのお楽しみということで壮馬は要求通り黙って手を繋ぐ力を少しだけ込めたのだった。
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