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※Rain【雨降る夜】
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家に着くまでの間、俺達は終始無言だった。
多田の細い手首を掴み先導して歩く俺と、真っ赤な顔を真下に俯けたまま俺に引き連れられる多田。
抵抗の言葉も行動もなかった。俺の為されるがままに、多田は黙りこくって静かに後をついて来た。
細く狭い階段を上ると、自宅の玄関がすぐ目の前に現れる。俺はびしょびしょの手をポケットにつっこむと、冷たく冷え切った鍵を取り出して玄関のドアを開けた。
「…入れよ」
明らかに、客人をもてなす雰囲気ではなかった。これから一体何が起ころうとしているのか、お互いに全てを理解しているようだった。
茶色のフローリングにポタポタ…、と雨の雫が落ちていく。どんよりと立ち込めた雲のせいでただでさえ薄暗かった外が更に暗くなった。夜の訪れにより世界は暗転し、明るさを持たなくなる。
外は、暗い。雨はしとしとと降り続いている。
多田が再び涙を流しながら俺の瞳を捉えた。
「…ねえ、雨谷君…」
桜色の唇からかそぼい声が小さく漏れて、多田は俺のことをじっと見つめたる。
その言葉が合図となり、俺は多田をベッドへと押し倒した。
「…ひゃ…っ、…ん……っ」
柔らかい唇に深い口付けをすると、五本の指に神経を這わせながら丁寧に優しく愛撫をする。
冷え切った体はガタガタと震えていて、触れる場所全てが氷のように冷たい。唇に、頬に、首筋に、小さなキスを落としながらゆっくりと濡れきったシャツのボタンを外していく。
「…ん、… ふ…っ…ぅ 」
その間も口付けをやめることはなく、柔らかい唇の内部にざらざらとした舌を入れた。
唾液の混ざり合う感覚と、意識が理性の保たれた世界から引き離される感覚。
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