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CHAPTER5
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ニコラスの一言でルーイは更に驚いた。
「え?そうなの?なんで…」
「な、なんでって…察せよ」
ルーイは察したのか「ふーん?」とにやけながらニコラスの顔を覗いたが、ニコラスは恥ずかしいのかそっぽを向いて「うるさい」とだけ言った。
「そうだよね、僕が来てからちゃんとした友達ができて遊ぶのが楽しくなったとか言えないもんね」
「黙れよ、水浴びしに来たのにお前だけ女になりたくないだろ」
「はいはい、死んでも女として見られたくはないな」
2人は会話をしながら全裸になり、ニコラスを追ってルーイが行くように、彼らは川に飛び込んでいった。
2人は有り余った体力を全身で使っていこうと川の中でバシャバシャと水をかけ合ったり泳いだりゲームをしたりと好き放題し、やがて夕日が出る頃には2人とも体を乾かし始めた。
「やっぱり夜は涼しいね。裸じゃちょっと寒いや」
「ん…」
綺麗に沈む夕日をバックに、喋っているルーイにニコラスは見とれていた。白くて触ったときにスベスベしていた肌、まだ濡れている髪の毛、細い腕と足。ニコラスは舐めるようにルーイの体を見ていると、そのうちルーイがニコラスの名前を呼んだ。
「ニコラス、大丈夫?熱でもあるの?」
「…え?」
「ぼーっとしてたから…それとも僕に何かついてた?」
「あ、いや」
ニコラスは「何でもない」と慌てて返事を返し、洋服を着始めた。それでもルーイからは目を離せず、何度かチラチラと覗いた。
夕日がだんだん沈んでいき、森を抜けた彼らは2人で住宅街を歩いていく。嫌なことを忘れさせる1日だったことをルーイは心から感じた。
「ね、今日は僕ん家に泊まって行かない?もうすぐそこだし、疲れたし…」
ルーイの誘いをニコラスは嬉しそうに聞き入ったが、その嬉しそうな笑顔は一瞬でなくなった。ニコラスは悲しそうな顔をして、ルーイの顔を見た。
「今日はやめとく。親戚が家に来るんだ、父さんを手伝わなきゃ…」
「ふふ…」
突然笑い出したルーイにニコラスは「何がおかしいんだよ」とツッコミを入れた。
「…ニコラスでもお父さんの言う事聞くんだね」
いくらニコラスでも、父親の前ではやんちゃできないのであった。昔から言葉遣いには気を付けろやら友達付き合いには気を付けろだとうるさい父親のせいでニコラスにはルーイのように仲良くなった友人ができなかったとも言える。
ニコラスの父親は頑固だし、家族の中でも1番強い。そんな父親をニコラスは嫌っているが、どの力を使っても勝てっこないし、負けるくらいなら言う通りにしようと彼はこれまで生きてきた。
「…お前はいいよな、両親共働きで。自由そうで」
「そんなことないよ。姉ちゃんいるし、そんなに自由じゃない」
ニコラスは自由そうな家庭の中で育ってるルーイを羨ましそうに言うがルーイもまた、家族が毎日家に帰ってくるニコラスを羨ましがった。お互いの環境が逆だったら、どんなに自分たちは幸せだっただろうと彼らは互いに思った。
「じゃあ、また明日ね」
「ん、じゃあ」
そうやって2人は夕日の沈む町を後にし、自分たちの家へと帰っていった。
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