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CHAPTER9
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「…どうして?ニコラスはマーシュリーの何が分かるの…?」
ルーイはニコラスに批判的な目をして問い詰めた。ニコラスは何も言えず、ただただ俯くことしかできなかった。
「ニコラス、最近マーシュリーと何かあった…?」
ニコラスの胸はドキッと跳ね、今にも感情が爆発しそうになった。
「な…なにも…」
「嘘でしょ、この頃君の様子おかしいもん。僕がマーシュリーの名前を出すたびに突っかかって来るじゃん」
「…」
ニコラスは言い返す言葉を探そうと必死だった。『マーシュリーと何かあった』なんて、そんな次元じゃない。ありまくりだ。あいつは不良だし、俺はルーイが好きだし、それに…。
ニコラスの頭の中でたくさんの思いがごちゃごちゃと混ざり合った。ニコラスが苦しそうな顔をしていると、ルーイはじりじりとニコラスの方に近付き、自分の手をニコラスの手に置いた。
「お願い…話してほしい。もし何か悩んでることがあるなら、できるだけ力になりたい…」
少し座高の高いニコラスを見上げながら悲しそうな顔をルーイはした。『かわいい』。ニコラスはルーイに対してそう思ってしまった。ニコラスの悩みは『恋』だ。だがそんなことをルーイ本人に言えば、彼はどんな反応をするか分からない。しかも自分の親友が、自分を好きだったなんて、しかも男で。絶対に気持ちが悪いとニコラスは考えた。そう考えていることすら知らないルーイにニコラスは声を振り絞った。
「…あいつと何を話したんだ…?」
「話…?学校の話とか…」
「とか…?」
「あとニコラスの話もしたよ」
ニコラスの胸はさらにドキドキした。まさか自分の話題がここで出てくるとは思っていなかった。だが有り得た。彼女だからだ。マーシュリーは人の噂をするのが好きだから有り得ない話ではない。
「ニコラスのこと面白いって言ってたよ、マシュが」
「は…?どういうことだよそれ」
「見ていて面白いって言ってた」
ルーイのマーシュリーの呼び方まで変わり、色んな感情が入り混じり、それはニコラスの顔に出てきていた。自分が何をしたいのかが分からなくなったニコラスはだんだんと泣きそうになり、体育座りで膝を抱えて顔を伏せた。それはルーイも同じだった。ニコラスが何をしたいのか理解ができず、ただ頭を傾げて隣にいることしかできなかった。
「ねぇニコラス。本当に何があったの?こんな君を見たのは初めてだよ…」
ルーイはそう言いながらニコラスの頭や背中を撫でた。
それからその日の2人は黙ることしかできなくなり、ルーイが先に、それからニコラスとバラバラに家に帰っていった。
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