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白川のフォローに、女性陣も表情が穏やかになっている。
まあ、そうだろう。
いつだって人を惹きつける男だ。
「畑野由正です。趣味は音楽鑑賞です。って言うと女性受けを狙ってるように思われるから何か別なのを言おうと思ってたんですけど、思いつきませんでした」
真面目くさった顔での言葉にくすくすと笑い声が上がる。
シーザーサラダが来て、目の前の女の人が取り分けてくれる。
「あ……ごめん……なさい。言い訳、なんだけど、こういう場所、不慣れで……」
「ふふ。私も不慣れだよ」
あ、話せそう。
「こういうときって何話せばいいのかな」
「うーん……趣味……かな。話したい?」
「いや」
素直に返すと気を遣ってくれたのか、にこりと笑ってくれた。
「ありがとう」
無言を誤魔化すためにサラダを食べていたら、隣の会話が耳に入る。
「由正くんって呼んでいい?」
「どうぞご自由に」
「由正くんは何が好きなの?」
「さあ……強いて言えばおしとやかな女性でしょうか。平野さんはどのような男性がお好みなんですか」
「もう、由正くんって固い。美沙って呼んでいいよ」
「それは僕が決めることです」
一瞬にして白けた。
まあ確かにそうなんだけど。
ていうか何なの。
あんた、この前はこんなに機嫌悪くなかったでしょ。
白川を見ると気づいていたらしく、困ったような笑みを浮かべていた。
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