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「あの、俺が口出すことじゃないけどさ……由正、せっかく頭いいんだし、もうちょっと、相手を傷つけない言い方、由正なら知ってるんじゃない……?」
「礼儀を欠いた相手に尽くすものなんてありませんよ」
「あのさあ。俺、自分で言うのもなんだけど、最初に会ったとき、礼儀正しくなかったと思うよ?」
この空気を払拭しようと開いた息吹の口は、全く違う疑問を吐き出した。
「息吹は礼儀知らずなだけで、僕に媚びたわけではありませんから」
「媚びるって……。待って待って。これ、合コンだよ? 合コンじゃなくてもさ、人と仲良くなろうっていう場でしょ。何でこんな険悪にしてんの。これが正しくない対応って、俺でもわかるよ?」
息吹の目の前の女の人に手を合わせ、美沙の相手を頼む。
女の人は軽く頷き、美沙の肩を抱いている。
美沙の顔は、見るも恐ろしく歪んでいた。
由正も由正なら、美沙も美沙だ。
笑って流さなくてもいいから、機転を利かせる技量を見せたら、いい女になれるのに。
「白川。美沙さん。あと……みんなごめん。ちょっと俺たち、先に出るよ」
財布から2万円を出して白川に渡し、由正の腕を掴んで靴を履いて逃げ出した。
由正は何も言わない。
「お腹空いたー」
「すみません」
「いいよ。食べなおそう。焼肉食べ放題なんてどう。さっきの分の元は取れないけどさ」
「……すみません」
入店するなり、携帯電話が光った。
「あ、白川が今どこって。教えていい?」
「いいですよ」
「俺も行っていいかって。いい?」
「構いませんよ」
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