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「俺さ、生粋のゲイで。女の人なんか無理だと思ってたんだよ。でも、あんたと一緒にいてさ。自分から選択肢を狭めてるんだなって……気づいた。確かに俺は、ゲイを理由に、女性との恋愛の選択肢を外してたんだよ」
震えそうになる手を握り締めた。
「俺、あんたのお陰で合コンも行ったし。見合いも、してもいいと思った。選択肢が広がったんだ」
なんでそんな怖い顔をするんだ。
まあ、身勝手だとは思う。
友達になってくれと言ったのは息吹だ。
「俺、見合いする。ちゃんと、女性と付き合ってみる。それから決めるよ。だってさ、あんたの言う通りだ。付き合ったことないのに、最初から男だけが恋愛対象、なんておかしいよな」
「もし、友達だと思ってくれるなら、また会ってください」
友達だと思えないから、会えないんだよ。
俺の決心が鈍るんだ。ごめん。
「せっかく踏み出そうとしてるあなたに言うのは、卑怯ですけど。僕、息吹が好きです」
「……うそ」
「僕はちゃんと言いましたよ。デートのお誘いって」
「冗談だと……」
「なら今、告白します。息吹、好きです。僕と付き合って、ゆくゆくは一緒になってください」
そんな。
駄目だ。
最初から選択肢の多い人のそれを奪うなど。
「あのさ、何を勘違いしたかわからないけど。俺、別にあんたじゃなくてもいいんだよね。あんただって、俺じゃなくてもいいはずだ」
「でも僕は息吹がいいんです」
「ごめん……無理……。言ったと思うけど、俺、付き合えるかそうじゃないかに分類してんの……。あんたは、無理……」
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