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悪意は感じないが、こちらとしては身に覚えがあることもあり、小さくなるしかない。
しかし彼女が、白川のとっておき?
いや失礼な意味じゃなくて。
「お前が勘違いしそうだから先に言っとくけど、別に元恋人とかそういうのじゃないから安心してね」
「なにそれ、そんなことになってんの」
「いや、言っとかないと、こういう勘違いしやすくてさ」
常葉と白川が息吹をそっちのけで話している。
「ほったらかしてごめんなさいね。習い事が一緒なのよ」
「そうなんですか」
「そこはもうちょっと興味を持ったふりをしてもいいんじゃないかしら」
「すみません、正直なもので」
白川は苦笑している。
「じゃあ、行きましょ。白川くん、もういいわね?」
「おう」
「お腹、空いてる?」
「いや」
「じゃあ、ちょっと歩きましょ」
息吹を待つ気もない速度だ。
「まあ、退屈はしないと思うよ?」
白川が囁き、息吹の背を押した。
それ、お見合いって言うのか。
*****
「あの困ったちゃんは元気?」
ファミリーレストランのドリンクバーを注文し、各自飲み物を選んで着席する。
アップルティーを口に入れた瞬間、常葉が言うものだから、息吹は噎せた。
「元気、だと思いますよ」
「あら、知らないの?」
「いつも一緒にいるわけではないので」
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