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今日は生徒総会
3秒考えて学園に行くのはやめた
面倒臭いからパスしよう
一日中同じ場所にいるなんて無理だしね
「楓」
「パス」
「ダメ」
「くだらない話は聞かない方がいい」
「面白い事が起こる」
「面白い事?」
「行けば分かる」
またそれか
繭は俺を動かすプロ?
仕方なく起き上がり、講堂へ向かった
「楓様、ごきげんよう」
「楓様、今日のランチをご一緒に」
「楓様」
うるさい
本当にうるさい
「席は自由だぞ、楓こっち」
「行こう」
「・・・・・・・」
「大丈夫、葵は繭にとって翔みたいな存在だから」
「わかった」
椅子に腰かけ、目を閉じた
よく話す事が次から次へと出て来るよね
話し声が耳障りだけど仕方が無い
「やっと始まるぞ」
「うん」
前半はどうでもいい報告だった
話も適当に聞いていた
部活の予算だのどうでもいい
そして
「では副会長からお話があります」
副会長?
「翔」
「ホントだ」
生徒会だったんだ
知らなかった
「生徒会から決定した事を報告いたします、2年B組彩流寺繭君を副会長に任命します」
はい?
どういう事?
「これからの生徒会役員は副会長二名、会長一名、書記2名、会計2名、庶務4名とします」
「面白いでしょ?和海の顔」
確かに面白い
と言うか、驚いているようにも見える
「では彩流寺君、こちらへ」
「はい」
「びっくりだな、あいつも貴族様の仲間入りか?」
ステージで挨拶する繭は凛とした瞳で生徒を見つめていた
部屋とは大違い・・・
繭が生徒会に入る事によって何が変わるのだろう
俺には関係無い話だけどね
ー彩流寺君って編入試験オール満点だったらしいよー
ー家柄も申し分ないし、和海様の弟だから仕方ないねー
ーでも、弟がいたなんてびっくりしたけどねー
ーそうそう、似てないしねー
ー聞いた話では裏で翔様が生徒会の実権を握っているらしいけどー
ー表には出ないけどね、どちらにせよ雲の上の人達だよー
認めざるおえないよね
ホント、人間って人の噂が大好きなんだね
「終わったな、お前はどうする?」
「曲を作らないと」
「そうだったな、頑張れよ」
「うん、出来たら持って行くよ」
「わかった」
繭はこのまま戻って来ないだろう
俺は部屋に戻り、新曲の事を考えていた
そしてドアが開き、俺の腕を掴んだ繭が立っていた
「どうして先に戻るの?」
「繭」
「どうして?」
「ごめんね、生徒会室に行ったと」
「・・・・・・・・・」
「えっと」
「・・・・・・・・・・」
怒ってる?
可愛く怒ってる
「パン買いに行こうか」
「行く、メロンパン」
「あるといいね」
二人で手を繋ぎパンを買いに行った
話を聞くにはパンがたくさん必要
あるだけ買い込んで部屋に戻った
「どうぞ」
「メロンパン」
両手にメロンパンを持って食べだした
「ココアでいい?」
頷く繭
しばらく待つしかなさそうだ
繭が食べている間、俺はギターで曲を作っていた
「ごちそうさまでした」
「見事だね」
「美味しかった」
「そう」
「僕に何が聞きたいの?」
「別に大した事じゃないけど」
「一つだけなら」
「わかった、どうして繭は手を繋ぐの?」
「安心するから」
「安心?」
「他の理由が必要?」
「ううん、わかった」
「嫌?」
「嫌じゃないよ」
ギターを弾きながら微笑んだ
安心すると言う事は不安な事があると言う事
でも今は知る必要は無い
「違うな・・・」
イメージが違う
こんな曲じゃなくてもっと
「どうして悲しい曲にするの?」
「えっ?」
「そう思っただけ」
「どうしてかな・・・俺にもわからない」
「今弾いた曲は懐かしい感じがした」
「懐かしい?」
「子供の頃楽しかった思い出」
「うん」
「でも、その後の曲は嫌な思い出を思い出した」
「ごめんね」
確かにそう
最初の曲は繭をイメージした曲
次の曲は千裕を思い出した曲
「楓には秘密がいっぱい」
「そうかもね」
「例えばそのチョーカー」
「わんわん」
「いつか教えてくれる日が来る?」
「どうかな」
「あっ!」
「ん?」
「夕食の時間」
「まだ食べるの?」
「パンはおやつ」
「そう」
本当に不思議な子
今まで辛い経験もたくさんしてきたはずなのにね
「繭君、グリンピースが残ってるよ」
「これは食べ物ではない」
「嫌いなわけね」
「嫌い、和海と同じぐらい」
「わかった」
和海とグリンピースは同レベルらしい
それがとても面白くてつい笑ってしまった
「繭、生徒会副会長就任おめでとうございます」
「来ないで欲しい」
「本当に驚きましたよ、翔様の考えはわかりませんが反対する理由もありません」
「繭」
手を伸ばした瞬間、今度はナイフを突き刺した
それが予測出来ていたかのようにまたかわした
「狂犬ですね・・・本当に」
「狂犬にしたのは誰だろうね」
そして・・・
「だからさ~、このテーブルクロスは」
「副会長として提案します、和海は排除」
「グリンピースか?俺も嫌いだからいいかもね」
それだけで通じるんだ
やはりこの二人は
「楓、たまには生徒会に顔を出して欲しいな」
「嫌」
「繭だって来て欲しいって言ってるぞ」
「言ってないとおも・・・」
「来て」
「ねっ?」
「今の仕事が終わったらね」
「約束」
「えっ?」
「約束、指切り」
「わかった」
仕方なく指切りをした指を翔は冷たく見つめていた
「楓、指切りしたね?」
「したけど」
「繭との指切りは怖いぞ・・・約束は守ろうね」
「えっ?」
「俺さ、子供の頃繭と遊ぶ約束をして忘れちゃってさ」
「うん」
「二階から花瓶が落ちて来た」
「花瓶?」
「数百万の花瓶を俺を驚かせる為だけに3個落として来たんだよね」
「約束した」
「死ぬかと思ったよ、怪我をしない程度に計算して落とすところが繭らしいけど」
「俺が約束を破ったらシャンデリアが落ちて来そうだね」
「シャンデリアなら可愛いものさ」
「怖いな」
「約束を破らなければいいだけ」
「まぁね」
「ちなみに和海の場合」
「和海?」
「まぁ、子供の頃の話だし多少遊んだりしてたんだけどさ」
「うん」
「和海と遊ぶ約束をして当然のごとく和海は約束を破った」
「和海の約束は破る為のもの」
「繭は何をしたの?」
「ボート遊びをしていた和海をボート小屋に閉じ込めたんだ」
「花瓶よりはいいと思うけど」
「和海は虫が苦手でさ、繭は大嫌いな虫を屋根から大量に落とした」
「あの時の悲鳴は楽しかった」
「虫を捕まえる根性がすごいね」
「当然、冬矢とも指切りをしてさ」
「宿題を教えてくれると言った」
「ところがその日、冬矢の友達がプール遊びに来て約束を破った」
「うん」
「プールの中に洗剤をぶち込んでプールは泡だらけ」
「約束した」
「それから繭とは誰とも指切りはしなくなった、仕返しがえぐすぎてね」
「確かに」
「だから繭との指切りはかなり久しぶりに復活したわけで俺も楽しみなんだよね」
「仕事が終わったら生徒会」
「わかった」
軽い気持ちでした指切りが何んとなく怖くなった
生徒会か・・・
気が重いな
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