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今回のライブはスポンサーの依頼でかなり大きな会場だった
「広いな」
「広すぎでしょ」
「でも、ここまで来たんだね」
「うん、ここまでやって来た」
「楓、ありがとう」
「どうしたの華」
「だって・・・俺」
「みんな頑張ったじゃない、俺だけじゃない、みんな」
「うん」
広い会場は望んではいないけど、この会場を満員に出来る程俺達は上り詰めた
色々ありすぎたけど本当にみんな頑張ってくれたと思う
「ところで楓」
「ん?」
「あの二人は招待したのか?」
「したけどスーツで来たらどうしよう」
「ありそうだな、もしくは制服とか」
「目立つしいいんじゃない?」
「まぁな」
開演1時間前
プレゼントが届けられた
「すごいバラの花だな」
「そう言えば入り口にもたくさんあったよ、何とか企業とか何とかグループとか」
「多分、楓の追っかけだろ?学園の生徒だと思う」
「すごいんだね、どんな学校なの?」
「ベルサイユ宮殿かな」
「へぇ、でも俺無理かも・・・葵に勉強を教えてもらっても全くわからない」
「そんな事ないぞ!イオは覚えが早いし公式とか年号とか暗記すればいける」
「自信がないな」
「俺は一緒に高校生活を送りたいんだ、これは俺の我儘」
「うん・・・そうだね」
葵達は上手くいったみたいだね
安心した
「楓、これもお前にだ」
「何だろう」
小さな箱には綺麗なピアスが入っていた
「すごっ!それ本物?ねね、ルビー?」
「Mに心当たりは?」
「ありすぎる」
「じゃ、つけるべきだな」
「うん」
「でさ、楓の超レアなギターも驚いたけど、その意味深な名前もMだよね」
「それかなりネットで噂になってるね、繭って誰?」
湊と華が興味津々
葵は笑っていた
「楓~、繭って誰?かわいい子?彼女?」
「そうだな・・・小さくて可愛くてハムスターみたいな」
「いつの間に?同じ高校なの?」
「うん」
「冴も気になるでしょ?」
「いや、気になると言うか・・・楓がそこまでする事に驚いている」
「彼女だね!間違いない」
湊は千裕の事を何も知らない
冴は知っているから何も言わなかった
「可愛いの?みたーい!」
「そのうちね」
「もう!」
ピアスは綺麗な三日月だった
繭達は大丈夫かな
「そろそろスタンバイお願いします」
「じゃ、みんな・・・行くよ!」
「行くか!」
「行こう!」
「燃え尽きるぞー!」
「よし」
俺は高校生だけど今は違う
このバンドのリーダーでギタリストの楓
いつもこの瞬間だけは嫌な事を忘れさせる
「イオ、行くぞ」
「うん」
葵と華がステージに向かった
葵もモテるのに自覚が無いらしい
「湊、行こうか」
「うんっ!」
湊とステージに向かい、ギターを持ち上げた
歓声が心地いい
どこにいるんだろう
まだ暗くてわからない
そして冴が登場して俺達のライブが幕を開けた
「いててっ、すごい人気だとは思っていたけど大丈夫か?」
「うん、楓が笑ってる」
「だな、ピアスもつけてくれてるな」
「うん、三日月のピアス」
「何だか葵も別人みたいだ・・・めちゃ楽しいな」
「楽しい、とても」
「よし、俺達も燃え尽きるぞ」
「うん」
ー朝食後ー
繭の部屋に向かったらベッドにたくさんの服が散乱していた
テーブルの上には音楽雑誌
成程ね、それなりに勉強したみたいだけど着て行くような服が無いから困っているわけか
「繭君、少し大きいけどこれを着なさい」
「翔」
「スーツでは行けないだろ?あとアクセもな」
「ありがとう」
俺が用意した服を着た繭は別人だった
言い方がおかしいけど普通の高校生って感じ
「なんだかしっくりしてるな」
「穴が開いてるけど」
「それは仕様だ」
「わかった」
「よし、髪もスタイリングしよう」
「うん」
繭の髪をいじり、別人に仕立て上げた
「バンドやってますって感じだな」
「おかしくない?」
「ばっちりだ!行こう」
「うん」
俺達は車で会場に向かった
繭は人ごみに酔うから心配だけどね
「翔」
「ん?」
「あそこに」
「フラワーショップ?」
「うん、バラを送りたい」
「わかった、寄ろう」
その店で繭はバラを買い占めて小さな箱を差し出した
「これもお願いします」
「かしこまりました」
「あれは?」
「ピアス」
「買って来たのか?」
「石を取り寄せて僕が作った」
「手先が器用だしな」
「間に合う?」
「余裕だ、ホテルでお茶してから行こう」
「この格好で?」
「あ・・・じゃ、あそこで」
「行きたかった」
「俺も」
車を降りて人気のカフェに入った
でも、オーダーする段階で繭は眩暈をおこしそうだった
俺もそう
一つの物をオーダーするだけで色々と聞かれて困ったしね
「わけわかんないから写真を指さしたよ」
「それでもいろいろ聞かれた」
「だな、フランス語より難しい」
「うん」
俺達は訳の分からないものを飲みながら目の前にある会場を見つめた
「あそこに楓がいる」
「だな」
「うん」
「すごい人だな」
「もう並んでる」
「すぐにわかるよな、あの軍団」
「うん」
飲み終わったカップをゴミ箱に捨てて会場に向かった
入り口には知った名前の花が所狭しと置かれていた
「もうすぐだな、グッズでも見るか」
「すごい人」
「諦めるか・・・って繭!」
大丈夫か?
小さいから進めるみたいだけど何を買うつもりなんだ?
「翔、これ持ってて」
「繭、ちょっと待とうか」
「何?」
「いや、その荷物はなんだ?」
「売ってたから、楓がいっぱい」
「わかるけど、買うかな~」
「買わないの?」
「いや、本人に言えばもらえるだろ?」
「初めて見た」
「そうだけどさ、とにかく全部買い占めるな」
「わかった」
荷物をロッカーに入れて会場に向かったけどこれがまた一苦労だった
「繭!」
「ここ」
「大丈夫か?」
「うん」
手を繋いで最前列までやって来た
何だかワクワクする
「もうすぐ始まるぞ」
「うん」
最初は照れていた繭も最後にはノリまくっていた
意外な一面だ・・・
「繭、終わったぞ」
「すごかった」
「だな、さすがだ」
「筋肉痛」
「お前がか?」
「ずっと背伸びしてた」
「成程、じゃ行くか」
「どこに?」
「ご挨拶」
「行く」
俺も用事があるからそのまま楽屋に向かった
プレゼントを持ってね
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