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「じゃ、またね~」
「楓、次に会うのはレコーディングだな」
「うん、また」
湊と冴と別れ、葵が言った
「俺はイオの荷物とか準備するからこれで」
「わかった」
「来週会おう」
「待ってる、華もね」
「うん、制服も気に入ったしすごく楽しみ・・・えっと聖クロス・・・」
「華さん、聖クロスティナ動物園です」
「そうそう、えっ・・・動物園?」
「確かに!」
「あははっ、よくわからないけどこれからよろしくね」
「はい」
葵達と別れ俺と繭と翔の三人になった
「ごめん、俺久しぶりに屋敷に帰るから来週な」
「うん、叔母様によろしく」
「オッケー、じゃまた」
「またね」
そして繭と二人になった
「翔の家ってこの近くなの?」
「あそこ」
「あそこって・・・公園?」
「あれは庭」
「驚いた」
「楓はどうするの?僕の屋敷に来る?」
「それは遠慮する、俺は適当に・・・」
「ここに泊まる」
「えっ?」
「楓の適当ダメ」
「泊まるって予約もしていないし」
「来て」
「繭」
終電も無いし適当なホテルに泊まろうかと思ったけど無理そう
仕方なくホテルに戻りフロントに向かった
「ツインの部屋空いていますか?」
「今夜はあいにく満室となっております」
だろうね
土曜だし空いているわけがない
「どうしようか」
今度は繭がフロントに向かい、静かに言った
「部屋の手配をお願いします」
「申し訳ありませんがホテルをお間違えでは?ご両親様はどちらに?」
言っちゃったね
「責任者を」
「君、小学生でしょ?その服装は」
「水島さんいますよね?」
「水島はいますけど・・・」
「早く呼んで下さい」
「少々お待ちを」
繭が怒ってる
さすがに小学生はね
「誰だあの小汚い子供は」
「水島」
「こ、これは彩流寺様、お一人ですか?」
「二人です、僕の大切な友人が一緒ですので・・・意味はわかりますね?」
「かしこまりました、ではキーを」
満室じゃなかったのか
「水島」
「はい」
「言葉使いを教育された方がいいですね」
「何かご不満な点が?」
「小汚い・・・」
「そ、それは・・・」
「潰す」
「彩流寺様!申し訳ございません、君達も頭を下げないか!」
「申し訳ございません」
「人を見掛けで判断するようなホテルは必要ありません」
「本当に申し訳ございません、申し訳ございません」
繭の一言が何気に怖いね
「繭、もういいでしょ?」
「うん、こっち」
「わかった」
確かに小さいけど・・・
ガラス張りのエレベータに乗り、小さな繭を見つめた
どこまで上るんだろう
天国までならいいのにね
「着いた」
「二人でこの部屋?」
「気に入らない?」
「ううん、気に入った」
「うん」
ホテルの最上階はこうなってたんだ
泊まる事は無いと思ってたけど、想像を超えていた
「ところでその荷物は?」
「楓」
「えっ?」
大きな荷物の中身をテーブルの上に広げた
「グッズ?」
「翔に止められた」
「言えばプレゼントするのに」
「壁に貼るステッカー」
「他は?」
「宝物」
「そう、嬉しい」
確かに翔が止めなければもっと買っていたかもね
ステッカーなんて事務所にあったのに
「疲れたでしょ?」
「今日の楓、かっこよかった」
「そう?」
「うん、普段はあんなに動かないのに不思議だった」
「確かにね」
「学園にいる楓とは別人」
「なのかな」
「翔が声をかけるまで信じられなかった」
「面白い事を言うんだね」
「ファンクラブに入る」
「入らなくてもチケはあげるよ」
「入る」
「どうして?」
「ファンと一緒に旅行」
「ああ、そんなのもあったね」
「僕も行く」
「女の子だらけだけどいいの?」
「楓と行く」
「別に二人で行けばいいじゃない」
「でも行く」
「わかった、でもその旅行はもう終わったけどね」
「来年」
「うん」
「その髪型似合ってるね」
「翔にやってもらった」
「そう」
本当に千裕に似ている
「楓は誰を見てるの?」
「えっ?」
「僕を通して誰を見てるの?」
「ごめんね、知り合いにそっくりだからつい」
「そんなに似てるの?」
「そうだね、似てる」
「お風呂に入って来る」
「うん」
思わず抱きしめてしまいそうだった
服装も髪型もそっくりすぎて言葉が出なかった
千裕では無いのにまだこんなに動揺するなんてね
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