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高校生活に音楽は必要なのかな?
俺は身近に音楽があるからそう思えるだけなのかな
「楓、次の音楽は華さんと同じ授業」
「と言う事は、葵は大喜びだね」
「うん、朝から嬉しそう」
繭とはクラスが違うけどいつもいるような気がする
「何の授業だろうね」
「合奏」
「へぇ」
合唱じゃなくてよかった
繭がいるし今日はサボれそうにない
二人でそのまま音楽室に向かった
廊下を歩いていると色々な楽器の音が聴こえた
何だか楽しそう
「楓」
「ん?」
「楽器は何?」
「決めていないけど」
「僕はアコーディオン」
「そう」
「あの音色が好き」
「俺も好きかな」
「頑張る」
「でも・・・」
「?」
「大きいし重いよ?繭が隠れ・・・」
「!!」
「あっ、ごめん」
「小さくない」
「うん」
小さいけどこれ以上言わない方がよさそう
多分身長は155センチぐらいだと思うし
「楓、繭君」
「華、合奏らしいね」
「うん、楽しみ」
「音楽祭で出場するクラスを決める為です」
「そうなの?じゃ頑張らないとね!楓はもちろんギターでしょ?」
「まだ決めていないかな」
「繭君は?」
「僕はアコーディオンです」
「えっ、重いし大きい・・・」
「!!」
「あっ、そんな事はないよね、うん・・・ごめんね」
合同の授業は人数が多いから苦手
適当な話を聞いて楽器を選ぶ事になったらしいけど・・・
「眠い・・・」
ほんの少し居眠りをしただけだったのに
「じゃ、みんな頑張って下さい」
あれ、時間が進んでる
「おいおい、お前何寝てるんだよ!」
「葵、黒板に書かれた文字は何だろう」
「見たとおりだな、お前はピアノ」
「おかしい」
「仕方ないだろ、イオはギターだし」
「じゃ、繭が」
「僕はアコーディオン」
「葵」
「俺はドラムなんだな~」
「・・・・・・・・華」
「ごめんね、ギターの方が好きだし」
「楓なら大丈夫」
「無理だと思うんだけど」
「僕が教える」
「華、やっぱり変わって?」
「ごめんね」
「はぁ・・・」
「放課後練習」
「曲は?」
「これ」
「オリジナル?」
「うん」
「ピアノパートが多いね」
「頑張れよ!」
「ちなみにどうして繭君はアコーディオンがいいの?」
「ピアノの近くですから」
「えっ・・・」
「繭、最初から俺をピアノにするつもりだったの?」
「うん」
「やられた・・・」
ほんの数分の居眠りが放課後の練習の為、俺の自由な時間を失った
「楓」
「何ですか」
「翔のクラスは翔がピアノ」
「もう負けを認めるしかないね」
「ダメ」
「はぁ・・・」
「このクラスが出場出来たら特製のプリンケーキ」
「すごく惹かれるけど食べられそうにないかな」
「練習後のプリン5個」
「やろうか!」
「成功だな、繭君」
「成功です」
「どういう事?」
「楓のプリン好きを教えただけだ」
「余計な事を」
「毎日5個だぞ?」
「・・・・・・・・」
頑張るしかない
プリンは最近食べていない
ずっと食べていない
その存在すら忘れていた
でももう無理
プリンしか浮かばない
今食べたい
すぐ食べたい
「放課後練習」
「うん」
俺はプリンの為に頑張った
でもなかなか難しくて上手く弾けない
「ここの指使いはこう」
「なるほど、繭は何でも出来るんだね」
「楓も出来る」
「くじけそう」
「プリン」
「頑張る」
まるで馬の鼻先に人参をぶら下げられた感じ
プリンの為だけにこんなに頑張る俺
でも、こんなに必死になってピアノを弾くのは初めて
とりあえず頑張ろう・・・音楽祭ではなく目の前のプリンの為に
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