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「暇だな~」
「いい天気」
俺達は怪我をしたので休校した
寮には俺と翔の二人だけ
念の為翔の部屋にいた方がいいと言う事になって二人でベッドの上で暇を持て余していた
何だか不思議な空間
「お腹空かない?」
「そう言えば空いたかも」
「だけど俺達は歩けない・・・困った」
デスクの上に置かれたガラス細工のベルを見つめて言った
「そのベルを鳴らせば執事が来るとか」
「来るのはカラスぐらいだね」
「俺が持って来るよ」
「楓も重症だろ?俺が」
「同じ言葉をお返しする」
「だよね~」
「ところでさ、繭に教えたのは誰なんだろう」
「誰かな」
「普通の生徒じゃないよね」
「無いだろうね」
「不思議」
「あの場所にいていなかった奴はだーれだ」
「えっ?」
あの場所にいていなかった奴?
どういう意味だろう
「じゃ、わかりやすくもう一度」
「うん」
「俺達を見ていたけどいなくなったのはだーれ?」
「俺達を見ていたと言うか見逃してくれたのは・・・そう言えば」
「消えたよね、和海が現れた後」
「いなかったね」
「だからわからないんだよね~」
「確かに」
翔の言いたい事が何となくわかった
確かに謎すぎる
「誰?」
確かにノックが聞えた
でも開ける気配はない
「見て来るね」
「気を付けて」
静かにドアに近付き、そっと開けた
「これは」
「どうした?」
「サンドイッチと紅茶があるんだけど」
「持てる?」
「うん」
プレートを持ってドアを閉めた
だけどどうして?
「氷龍や繭なら中に入るよね」
「食べない方が・・・って翔?」
「美味しいよ」
「危機感とか無いの?」
「だって和海が俺に毒を入れるわけ無いし、二人分ある」
「でも」
「どっちかに毒を入れるなんて無理でしょ?俺がどっちを食べるかなんてわからない」
「・・・・・・・・・」
「ちなみにこのサンドイッチは今日のランチメニューだしね」
「誰がこれを?」
「さぁ」
翔はサンドイッチを食べながら紅茶をカップに注いだ
「紅茶もそう、二人分ポットに入ってるしカップも毒はぬっていない」
「どうしてわかるの?」
「匂いかな」
「匂い」
「俺、意外と匂いには敏感なんだよね」
「そう」
「楓も食べたら?大丈夫だから」
「うん」
繭に知られたらまた怒られそうだけど、翔は普通に食べていた
「パンが硬くなるよ?」
「そうか・・・」
「ん?」
「これをオーダーした生徒を探せば誰なのかわかる」
「でも、もう食堂は大混雑」
「確かに」
サンドイッチを手に取り、口の中へ入れた
「サーモン?」
「そっ!サーモンとアボカドのサンドイッチ」
「美味しいね」
「だろ?俺大好き・・・そんな話をクラスでしたな~」
「翔」
今の言葉がヒント?
翔はもう誰が持って来たのかわかっている
「美味しかった、ご馳走様でした」
角砂糖がたくさん
普通なら2個で十分なのに
翔は角砂糖をたくさん入れていた
それを知っている人?
「翔が甘党って話もクラスで?」
「したね」
まさかでしょ
でも・・・昨日の行動は?
「楓、少し寝ようよ・・・お腹いっぱいになったら瞼が重い」
「ホント、危機感がゼロだね」
「ドアのカギは閉めたし窓は防弾ガラス、安心でしょ?」
「防弾ガラス?」
「カラスが前に飛び込んで来て窓が割れたんだよね」
「確かにカラスが多いね」
「動物園だし仕方ないね」
「うん」
まどろみの中、和海と戦う繭を思い出していた
小さな体を使って攻撃を見事にかわしていたな
それから床に落ちる銀色の髪
ドアを開けたら風に吹かれて飛んで行った
でもどうやって切り落としたんだろう
んっ・・・眠い
痛み止めが効いて来たのかな
翔は寝息を立てていた
実は起きてたりしないのかな?
背中を指で突き確認してみた
「寝ろ」
「だね」
やはり起きていたらしい
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