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繭は疲れているのかすぐに眠ってしまった
俺は相変わらず不眠症
そっとベッドを抜け出しドアに手をかけた
「楓」
「繭・・・」
「どこ行くの?」
「どこでもいいでしょ?」
夜の闇は俺を冷たい男に変える
傷付く言葉を繭に投げつける
「僕が止めても行くの?」
「繭に止める権利などないよ」
「楓・・・」
わかってる
俺が部屋を出て行く理由は目の前の繭だと言う事も
「楓、行かないで」
「うるさいよ?」
「楓、行かないで」
「だからうるさいってば!」
繭は俺から視線を外し背中を向けて言った
「もういい・・・」
「そう」
繭は背中を向けたまま
俺はそのまま部屋を出た
「今夜は月が綺麗だよ、何をして遊ぼうか?」
「楓、どうして自分を傷付けるんだ」
「参ったな、冬矢まで正義を振りかざすとはね」
「そうじゃない、お前・・・心とは裏腹な表情をしている事に気付かないのか?」
「笑える」
「他を捜せ」
「わかった」
だけど他の部屋に行く気力はない
庭に出てぼんやりと空を見上げた
「おや・・・夜遊びですか?」
「うるさいよ?」
「遊んで差し上げましょうか?」
「結構」
「ウサギ小屋が出来上がるまで私も退屈なのです」
「どうでもいいね」
そう
どうでもいい
「苦痛をお望みですか?それとも快楽を?」
どうでもいいのならこいつでもいい
迷いが消えるのなら・・・
「何をして遊んでくれるの?」
「・・・・・・・・・・」
和海の動きが止まった
「嫌われては困りますので」
「そうだね、嫌うと言うか嫌いだけど」
「翔」
「お前何してんの?」
「邪魔しないで欲しいな」
「目が覚めたら後悔してその後悔を消す為に同じ事を繰り返すのか?」
「俺の勝手でしょ?」
「ああ、楓の勝手だけど俺は繭が傷付くのを見たくないんだよ」
「そんな事を言われても困るな」
「もう一度繭をその目で見ろ!逃げずにな」
「無理かな」
「繭は二度とお前に心を開かなくなるぞ、それでもいいのか?」
「どう言う意味?」
「一度は止めるけど、無理だと思ったら二度と止めないと言う事だ」
「・・・・・・・・・」
「要するに二度とお前には心を開かない」
そんなバカな・・・
「冗談で言っているんじゃないぞ」
「・・・・・・・・・・」
「まさかお前、繭が止めたのに無視したのか?」
「もういいってさ」
「・・・・・・・・・・・・」
翔は冷たい表情で俺に言った
「じゃ、俺ももういい・・・好きにしろ」
そう言って翔も消えてしまった
「俺は翔にまで嫌われたのかな」
ため息をついて、立ち上がり部屋に戻った
きっとパンを買って来ればいつもの繭にもどるはず
そう思っていたのにね・・・
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