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打ち上げを断り、繭と会場を出た
「楓と泊まる」
「うん」
繭は前と同じホテルに向かい、フロントで言った
「ダブルの部屋を」
「彩流寺様、いらっしゃいませ」
さすがに覚えられていたらしい
と言うか・・・ダブルって
「同じ部屋だった」
「いいんじゃない?」
「・・・・・・・・・」
繭は不満そうだったけど仕方が無いよね
一番いい部屋なんだし
「楓、打ち上げ」
「いいよ、打ち上げは二人でしよう」
「じゃ、待ってて」
「ん?」
さすが繭パワー
フロントに電話するとすぐにワインが運ばれて来た
しかもオードブル付きで
「僕がやる」
「うん」
グラスに注がれた赤色のワインはとても幸せな色に見えた
しかも高額なワイン
「じゃ、乾杯」
「乾杯」
繭は普通に飲み干した
お酒飲めたんだ・・・
「楓」
「何?」
「会員番号1番なのにグッズが買えなかった」
「明日持って帰ろう」
「部屋の壁紙も変えた」
「また穴を開ければいい、翔に怒られるけどね」
「楓」
「うん」
「すごくカッコよかった」
「繭にそう言われるのが一番嬉しい」
「僕は誰?」
「繭だよ」
「本当?」
「うん、もう間違えたりしない」
「楓」
「ん?」
「そのチョーカー・・・」
「繭の手で外して欲しいかな」
ごめんね千裕
俺は移り気みたい
千裕を愛していたはずなのに今は目の前にいる小さな天使が愛おしい
「いつも持ってた」
繭はあの日からずっと持っていたんだね
「綺麗だね、ピアスと同じ三日月」
「うん、楓」
「今日の繭はおしゃべり」
首のチョーカーを外し、新しいチョーカーをつけた繭
綺麗な三日月が揺れていた
「楓」
「何?」
「楓の手で撫でて」
「繭」
「楓じゃなきゃダメ」
「いいの?」
「うん」
「わかった」
ハリネズミは針を立てる事をやめた
そっと頭を撫で、膝の上に乗せた
「その髪型が好きなの?」
「・・・・・・・・・・・」
「似合うけど、繭はいつもの髪型がいいね」
「シャワー行く」
「うん」
繭がシャワーを浴びている音を聞きながらワインを飲んだ
どうしよう・・・すごく眠い
「楓も」
「うん」
もしかして誘われてるのかな?
そんな期待をしながらシャワーを浴びて部屋に戻って苦笑した
「疲れてるんだね」
ソファーで眠っている繭をベッドまで運び、久しぶりに隣で眠った
その日見た夢は忘れない
千裕が笑って俺達を見つめていた、そんな夢だった
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