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繭と仲直りをしてから、翔もいつもの翔に戻っていた
「繭~、約束した糖分!」
「うん」
「おいおい・・・プリクラだらけじゃないか!」
「お気に入り」
「ポスターも貼りまくりだな」
「サイン入り」
「しかし繭がプリクラとはねぇ」
「初体験だった」
「えっ?・・・お前」
「プリクラ」
「そっちかよっ!」
「翔はどっち?」
「それはいいから早くしろ」
二人の会話は聞いていて面白い
飽きないしね
「楓、どこでプリクラを?」
「遊園地かな」
「ああ、繭の?」
「驚いたけどね」
「まぁ、あそこは子会社だし繭が行く事も無い場所だけどね」
「面白かった、バイキング」
「聞いただけで吐きそう・・・」
「俺も無理だな」
「5回乗った」
「まじかっ!」
「5回目は魂抜けてたよね」
「可哀相に・・・」
「水が降って来るやつも面白かった」
「ああ、合羽着て乗るやつ?」
「それがね、繭は着ないでそのまま乗ったからびしょ濡れになったんだよね」
「面白かった」
「よかったな」
「お化け屋敷は好きじゃない」
「珍しいな」
「うるさいだけでつまらない」
「そう言う事ね」
確かにお化け屋敷には入らなかった
素通りしただけだったから怖いのかと思ってたけど違ったんだ
「ジェットコースターは面白かった」
「俺も好きだな」
「この世の終わりかと思ったね」
「ようするに全部楽しかったわけだろ?」
「うん」
「そっか」
「デート」
「だな」
「デート」
「ああ、デートだ」
「観覧車に乗った」
「うん」
「夜景が綺麗だった」
「へぇ」
「カップルが見えた」
「うんうん」
まずい
この流れで行くと繭は全部話してしまう
「ねぇ、そろそろ行かない?」
「そうだな、繭早く買いに行くぞ」
「翔はミルクレープ」
「そそ」
何とか話をそらし、売店に向かった
「おや」
「邪魔」
「繭は相変わらず成長しませんね」
「黙れ」
「小学生から身長が止まってしまったのでしょうか?」
「殺す」
「成程遊園地ですか、人気バンドの楓が遊園地で楽しそうに手を繋ぎ・・・」
もう新聞に?
「見せろ」
「どうぞ」
翔が新聞を奪い、繭と二人で読んでいた
別にいいのに
繭は新聞を破り捨て、拳を握りしめた
「記事が気に入らなかったのですか?」
「死ねばいい」
珍しく繭の蹴りが和海の腕に当たった
「消えろ」
「かなりお怒りのようですね・・・では」
和海は腕を押さえ、どこかへ消えた
「繭、気にしなくてもいいって言ったのに」
「翔」
「ん?」
「この新聞社潰す」
「潰したら購読している人が困るだろ?」
「じゃ、買収」
「それならいいんじゃない?」
「これを書いた記者は海に沈める」
「おいおい」
「繭、それはやり過ぎじゃない?落ち着いて」
「楓のバカ!」
「えっ?」
もしかして怒ったの?
繭は走ってどこかへ行ってしまった
「翔」
「原因はこの記事だろ?」
「記事に書かれている事は事実だし」
「そうかな・・・」
そう言って新聞を拾い上げ記事を読み上げた
「人気バンドの楓が遊園地で楽しそうに手を繋ぎ」
「うん」
「弟とオフを楽しむ」
「もしかして・・・」
「だな、繭は弟と言う言葉がお気に召さなかったらしい」
「違った意味で激しいね」
「繭だしな・・・って、ミルクレープ!!楓、またな」
「うん」
そう言う事か
確かに子ども扱いされた時の繭は恐ろしい
「楓、ここにいたのか」
「どうしたの?」
「新聞観たか?」
「葵、繭の前で絶対言ってはだめ」
「へっ?でも弟だと思われたわけだし」
「それが繭を怒らせたみたい」
「まじか・・・次の体育柔道なんだけど俺見学する事にする」
「だね」
俺は物理だったから葵のクラスの体育をこっそり見学する事にした
「あらら」
繭に投げ飛ばされた生徒が床に転がっているし、先生まで引いてる
「先生」
「さすがだ、彩流寺!柔道部が廃部になって残念だ!いや~残念残念」
逃げた
見学していた葵に合図を送って二人で時計塔までやって来た
「参ったよ、もう授業にならないしさ」
「だろうね」
煙草を渡し、火をつけた
「ところでさ、お前達付き合ってるのか?」
「そうだね」
「そっか、そのチョーカーを見てそう思った」
「うん」
「で・・・」
「何もしていない」
「マジで?」
「したくない訳じゃないけど・・・」
「けど?」
「犯罪を犯してるみたいで」
「おいおい、犯罪って」
「それに急ぐ必要はないし」
「お前、まさか」
「それはないね、約束したし」
「ならいいけど」
「ところで葵達はどうなの?」
「どうって?」
「いろいろ」
「いや・・・ん~」
「同じ部屋なんだし」
「イオは夕食の後部屋に戻って勉強ばかりしてるね」
「へぇ」
「休んだ分、取り返すとか言って相手もしてくれない」
「可哀相に」
「俺達の事はいいんだよ!」
「俺達の事もいいでしょ?」
「まぁな」
華は勉強熱心だし、生徒会に入ればいいのに
俺の代わりに・・・
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